研究領域 | 都市文明の本質:古代西アジアにおける都市の発生と変容の学際研究 |
研究課題/領域番号 |
19H05043
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
上杉 彰紀 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究センター, 特任准教授 (20455231)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | インダス文明とバハレーンの交流 / 土器 / 石製装身具 / 石製印章 / インダス文明 / アラビア半島 / 前3千年紀 / 海洋交易 / 地域間交流 / 前3~2千年紀 / インダス系土器 / 社会変容 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、前3千年紀におけるインダス文明地域とアラビア半島の交流関係について考古資料をもとに検討するものです。モノの移動によって把握される「交易関係」という視点だけでなく、その背後にある人・情報の移動、それが各地の地域社会に与える影響といった「交流関係」というより高次の視点から両地域間の関係について考察します。この2つの地域間の交流関係は、メソポタミアやイラン高原の社会とも深く関わっており、前3千年紀に展開した「西南アジア文明世界」の一端をなすものです。文明世界を支える各地の都市社会が交易・交流関係によってどのようにつながり、どのように展開したのか理解するための基礎の構築をめざします。
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研究実績の概要 |
2020年度は、前年度にバハレーン政府文化・古物局における資料調査で得たサンプルの分析とそれらが出土した墳墓遺跡の空間分析を進めた。 資料調査の結果、バハレーンの遺跡で出土するインダス系器物には土器、石製装身具、石製印章が存在することを確認し、その形態的・技術的研究を行なった。 土器については、グジャラート地方に由来するものが多く含まれ、それらが形態的に前2千年紀前葉に属することを明らかにした。このことは前2千年紀前葉の時期に、インダス地域のなかでもグジャラート地方がバハレーンとの海洋交易において重要な役割を担ったことを示している。 石製装身具については、素材・形態に加えて、ビーズ孔のシリコン型を走査型電子顕微鏡で観察し、穿孔技術の分析を進めた。その結果、バハレーン出土の紅玉髄、瑪瑙製ビーズが、円柱型石製ドリルおよび先細型ドリル(おそらく銅製)によって穿孔されており、インダス地域の穿孔技術と共通することが明らかとなった。特に後者の先細型ドリルは、前3千年紀末にグジャラート地方で広く用いられたものであり、それがバハレーン出土のビーズにも使用されたことを示している。土器と同様に前2千年紀初頭のグジャラート地方とバハレーンとの交流関係を示す可能性が高い。 石製印章については、バハレーンで出土するインダス系図像と文字を刻んだインダス系湾岸式印章の彫刻技術の分析を行なった。その結果、インダス地域出土のインダス式凍石製印章に比べると粗雑な彫刻技術を確認した。このことはインダス系湾岸式印章がインダス地域ではなく、ペルシア湾岸地域において製作されたもので、インダス系湾岸式印章が土器や石製装身具とは異なる交流関係の産物であったことを示している。 また、コロナ禍で現地での資料調査が難しくなったことから、高解像度衛星地形データを購入し、インダス系器物が出土した墳墓の地形・空間分析を行なった。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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