研究領域 | ハイドロジェノミクス:高次水素機能による革新的材料・デバイス・反応プロセスの創成 |
研究課題/領域番号 |
19H05050
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
飯村 壮史 東京工業大学, 元素戦略研究センター, 特定講師 (80717934)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ヒドリドイオン / 非調和振動 / 水素 / 金属水素化物 / 第一原理計算 / 高圧合成 / 熱伝導 / イオン伝導 / ヒドリドイオン伝導 |
研究開始時の研究の概要 |
水素の陰イオンであるヒドリド(H-)は、小さな原子量、(2)大きな電子分極率に起因した大きな非調和振動を示す。さらに(3)固体中のヒドリドが柔らかな副格子を形成すると、水素間の相互作用によりさらに大きな非調和振動が期待できる。本研究では「H-の非調和振動に起因した熱伝導度の低減とその起源解明」を目的とし、高圧合成法を用いた高密度に水素を含有した水素化物の合成と熱伝導度の評価、ならびに第一原理計算を用いたフォノン-フォノン相互作用の評価を行い、水素化物と熱伝導という新たな学理の創成を目指す。
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研究実績の概要 |
作年は主に第一原理計算を用いて水素化ランタンのフォノンバンドとその非調和性を調べ,LaH3中の高密度凝集した水素が音響フォノンを構成する振動の一部を大きく非調和化することを明らかにした.本年は,LaH3やLaH2の格子熱伝導度の第一原理計算,およびその実験的検証を課題に取り上げ研究を行った.まず初めにDFPT法とスーパーセル法から熱伝導度を計算できるPhono3pyを用いて水素化ランタンの格子熱伝導度を評価した.LaH3の格子熱伝導度は300Kにおいて3W/mKと低熱伝導度を有する熱電材料として知られるPbTeとほぼ同等の大きさとなった.一方で水素を一つ取り除いたLaH2は20W/mKとなり,固体中の水素含有量が多いほど熱伝導率が下がることが分かった.固体の熱伝導度は主に電気伝導を担う電子と格子からの寄与から成り,金属においては前者が主として寄与する.LaH2は水素が一つ欠損する代わりに電子がドープされ金属伝導を示すが,LaH3は1eV以上のバンドギャップを有する.したがってLaH3の熱伝導度は電子と格子両方からの寄与が小さいと言える.LaH3は大気下で酸素や水と反応してしまうため,熱伝導度測定装置まで素早く試料を輸送する必要があり,実験的な熱伝導度の見積もりが遅れている.LaH3に酸素を少量置換する,もしくはランタンをイットリウムに置換することで化学的安定性が向上するため,酸水素化ランタンLaH1+2xO1-xおよび酸水素化イットリウムYH1+2xO1-xの固相合成にも取り組んだ.水素の非調和な振動が見られる水素リッチ組成を合成する中で,カチオンとアニオンのイオン半径比rRE/rX(REは希土類元素)が0.8以上の時にREH1+2xO1-xはLaH3と同じ立方晶構造を取ることが分かった.本結果は,Chem. Matt.誌に投稿し受理された.
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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