研究領域 | ニュートリノで拓く素粒子と宇宙 |
研究課題/領域番号 |
19H05112
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 (2020) 早稲田大学 (2019) |
研究代表者 |
浅岡 陽一 東京大学, 宇宙線研究所, 特任准教授 (40345054)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | CALET / 銀河宇宙線 / 加速限界 / 超新星 / 陽子・ヘリウム |
研究開始時の研究の概要 |
超新星残骸における衝撃波加速は電荷に比例した加速限界を予言する.超新星残骸で達成可能な最高エネルギーは典型的に,陽子で60TeV (10の12乗電子ボルト)と見積られている.一方,宇宙線スペクトルの地上観測では,3000TeV付近で冪の折れ曲がり"knee"が見られる."knee"は陽子の加速限界と捉えられており,地上からの観測に基づく理解と,超新星残骸モデルは整合的ではない. 本研究では5 年間のCALET データを用いて,100 TeV 領域に至る陽子・ヘリウムスペクトルを決定することで,上記の不整合を解決する鍵であり未検出の場合も重要な結果となる,電荷に比例する加速限界の検出を目指す.
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研究実績の概要 |
国際宇宙ステーション搭載の高エネルギー宇宙線観測装置CALETは,2020年度も安定した軌道上運用を続け,観測データを蓄積した.それと同時に,さらに安定観測を継続してスペクトルの精度を向上させるため,軌道上運用の更なる効率化を実施した.軌道上CALETの長期安定運用は,統計が最も重要となる100TeV領域のスペクトルの精度を確保するために必須である. 2020年度の大きな成果として、CALETによる核子あたり2.2TeVまでの炭素及び酸素スペクトルの発表が挙げられる.本論文はPhysical Review Lettersに掲載された.核子あたり約200GeVの領域でスペクトルの硬化を3σ以上の有意性で観測した.宇宙線中の核子成分,特に超新星残骸にて加速されると考えられている,陽子,ヘリウム,炭素,酸素といった一次成分に関しては,統一的な理解が求められる.同一の検出器にて陽子に続きスペクトル硬化を検出したことは,銀河宇宙線核子成分の理解において重要な役割を果たす. CALETは電子観測に最適化されており,エネルギー測定のために検出器内でのハドロン相互作用を必要とする陽子やヘリウムの観測は,電子観測とは異なりよりシミュレーションに対する依存性が強く難しい解析となる.その意味で,ヘリウム,炭素,酸素を含む核子成分のビームテスト結果の解析を含み,シミュレーションの検証や詳細な系統誤差の評価を加えた炭素・酸素論文を出版できたことは,ヘリウムの解析結果出版に向けても大きな成果と言える. 陽子・ヘリウムデータ解析においては,特に最大の目的となる,100TeV領域における陽子ヘリウムスペクトルの冪形状を精度よく求めるため,イベント選別の信頼性,飛跡再構成方法の信頼性,モンテカルロモデル依存性,検出器内での相互作用位置の影響など,様々な系統的調査を実施した.
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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