研究領域 | ミルフィーユ構造の材料科学-新強化原理に基づく次世代構造材料の創製- |
研究課題/領域番号 |
19H05120
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
戸木田 雅利 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (30301170)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 液晶ブロック共重合体 / ラメラ状ミクロ相分離 / キンク形成 / 応力ひずみ特性 |
研究開始時の研究の概要 |
液晶性ポリエステル(LCP)の両端に非晶ポリメタクリレート(PMA)が連結した液晶ブロック共重合体(LCBCP)を延伸/熱処理することでラメラ法線が試料全体にわたり一様に試料長手方向にあるラメラ状ミクロ相分離(Lam)構造モノドメイン試料が容易に調製できます.このLam構造はLCPの軟質層とPMAの硬質層からなり,経験的ミルフィーユ条件を満たします.さらに法線方向に延伸できるモノドメイン試料の調製が容易です.本研究は,LCBCPを用いて高分子材料系ミルフィーユ構造のキンク強化現象の検証,高分子の材料強化法とキンク形成メカニズムの解明を目指します.
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研究実績の概要 |
高分子材料系において層状構造にキンクを導入するときは,層の法線方向に延伸する方法が一般的である.しかし,延伸によって高分子鎖が配向してしまうと,強化されたとしても,それがキンク導入によるもの(「キンク強化」)なのか,分子配向によるものかの区別がつかない.そこで,本研究では,非晶成分の体積分率が高くなるとラメラが自発的に傾いてキンク構造を形成する液晶ブロック共重合体について,その応力―ひずみ特性を調査することにした. 組成によって自発的にキンク構造を形成する液晶ブロック共重合体B3-x-EMA-yについて,キンク構造の有無による応力-ひずみ特性の変化を検討した.液晶セグメントの分子量がx=7.9 [kg/mol],非晶ポリエチルメタクリレート(EMA)体積分率がy=15~51%のB3-x-EMA-yを合成した.y>39で小角X線散乱のラメラ構造に由来する反射が4点にスプリットし,キンク構造の形成が認められた.一方,応力-ひずみ特性の初期弾性率,降伏応力,降伏ひずみ,破断ひずみはyの増加に伴い単調に増加し,キンク形成による不連続な増加は認められなかった. B3-x-EMA-yの対象試料として,組成によらず平坦なラメラ構造を形成する液晶ブロック共重合体B5-x-EMA-yを調製,ラメラ法線がフィルム長手方向にあるモノドメインフィルム試料を調製し,長手方向にフィルムを延伸した時の応力-ひずみ特性を調査した.B5-29-EMA-22の応力はひずみに比例して増加,極大をとった後,平坦となった.一方B5-29-EMA-44の応力-ひずみ曲線は初期の勾配はB5-29-EMA-22と変わらない一方で,応力は極大をとらず,緩やかにではあるが増加し続けた.これらの応力の違いは,B5-29-EMA-44では,長いEMA鎖が液晶ブロックラメラを分断した「分断ラメラ」を形成している点にあると考えた.
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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