公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
第3のクォーク:ストレンジを持つハイペロンは、現代の原子核物理学の最重要課題の一つである、核力をバリオン間相互作用として統一的な理解を促す知見を与える。本研究は、ハイペロンを含む原子核(ハイパー核)を過去の数十倍のデータで取得・解析を目指すための研究開発である。約百万のハイパー核事象が記録されている写真乾板(エマルション)の全面を、機械学習を施して高効率で高速に探査できる顕微鏡システムを実現する。このシステムは、二重ベータ崩壊の研究や中性子を用いたCTの開発などへの新展開も期待できるものである。
2019年度の開発をもとに、原子核乾板中のダブルハイパー核の全面探査を数年で終了すべく、機械学習機能を持たせることが前進した。特に、荷電粒子の飛程-エネルギーの関係の較正に用いる、乾板中でアルファ線を放出する自然放射性同位元素の崩壊事象の全面探査に機械学習機能を搭載し、実用化に至るとともに論文としても掲載された。現在約80%の検出効率を、さらに向上させるように取り組んでいる。またこの機械学習を、寿命と結合エネルギーが話題となっている最も軽い水素3-ラムダハイパー核の探査に利用し、事例数は限られていつつも検出が進んでいる(現在4例)。グザイハイパー核については、初めてその質量測定に成功し、投稿したPhysical Review Letters誌で、Editors’ suggestionに選ばれるとともに、事象の写真が掲載号の表紙を飾った。この事象はグザイハイパー核の第1励起状態を表していると考えられ、より深く束縛した基底状態とも考えられる新たな事象の論文をも投稿中である。また本実験の第1号論文であるダブルラムダハイパー核を報告した論文(2019年2月出版)は、第26回日本物理学会論文賞を受賞した。さらにこれまでのダブルハイパー核研究に対して、本研究代表者が第66回(2020年度)仁科記念賞を受賞した。研究成果は、新聞3紙(岐阜、中日、科学新聞)、およびプレスリリースとして5大学・研究所のホームページで紹介された。仁科記念賞受賞については、主要各紙(朝日、読売、毎日、日経、中日)や地方紙(岐阜、山梨日々)で報道されるとともに、50以上のインターネット配信、および約20のホームページで紹介された。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (11件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 5件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (31件) (うち国際学会 5件、 招待講演 4件) 備考 (6件)
PHYSICAL REVIEW LETTERS
巻: 126 号: 6 ページ: 1-6
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Bull. Soc. Photogr. Imag. Japan. (2020)
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巻: 26
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https://www1.gifu-u.ac.jp/~physics/