研究領域 | 宇宙観測検出器と量子ビームの出会い。新たな応用への架け橋。 |
研究課題/領域番号 |
19H05193
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
中村 浩二 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (00554479)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2019年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 半導体検出器 / LGAD検出器 / 高時間分解能 / 光検出器 / LGAD / 飛跡検出器 / シリコン半導体 / 増幅機能付き半導体 / TOF-PET / PET |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、高エネルギー加速器実験用に開発されている世界最高レベルの高い時間分解能(30ps)を実現している増幅機能付き半導体検出器(LGAD) の医療機器への応用を目的とする。癌細胞の位置の特定に用いられる時間測定型のPET システム(TOF-PET) への導入が可能となれば、現システムの常識を覆すほどの癌細胞位置特定の精度が得られる。検出器としては、有感領域の改良と511keVガンマ線を検出するシステムが重要な開発要素となる。本検出器の開発は既に浜松ホトニクス社と共同で行っており、時間分解能および有感領域の評価方法は確立されていて、本研究では改良デバイスの開発およびその試験を行うものである。
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研究実績の概要 |
次世代の高エネルギーコライダー実験に向けた高時間分解能をもつ半導体検出器の開発を行う。我々が主導的に開発している増幅機能付き半導体検出器(LGAD)は、世界最高レベルの時間分解能(約30ps)を達成していて、高エネルギー実験のみならず、他分野への応用が期待されている。2019年度から従来のLGAD検出器の位置分解能を劇的に改善する静電容量型のLGAD検出器(AC-LGAD)のプロトタイプを製造している。従来のように電極と増幅層が独立に配置されている構造では電極間に不感領域ができてしまう。これを防ぐため、一様な増幅層を配置し、酸化膜を介したアルミ電極から信号をAC的に読み出すことで不感領域をなくす。電極間での信号のクロストークを最小限にするためn+のドープ量を少なくし、抵抗値を上げた。昨年度製造したプロトタイプは高いn+抵抗値を実現し、信号サイズが大きくなり、信号の分離はノイズレート10-4に対して検出効率99.8%を達成した。これは、80umピッチのAC-LGADセンサーが完成したことを示す。この検出器を分子イメージング、医療、産業界等様々な分野に応用するために、赤外光や可視光領域に感度のある検出器を製造した。具体的にはアルミ電極をポリシリコン製の透明電極にすることで、これを実現する。アルミ電極のAC-LGADと同様の増幅層および電極の構造をもつポリシリコン製の検出器を製造し検査した。結果、赤外光に対してはほぼ100%、赤色光に対しては約60%の光透過率を実現した。今後は透過率の波長依存性や光量に対する電極の最適化等を行い実際の応用を実現していく。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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