公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
エキゾチック原子のカスケード崩壊に伴い放出される特性X線を測定しエキゾチック原子種を同定する「エキゾチック原子法」によって宇宙線中の反原子核の観測を高度化するという領域内の新機軸を探究する。エキゾチック原子法の中核を担うシリコン検出器の高性能化検討を行う。エキゾチック原子法の理解を深めるとともに、シリコン検出器の非破壊検査への利用や検出器アレイによるX線測定などへの活用も検討し、領域内各計画との連携を図る。
本研究の目的は、エキゾチック原子のカスケード崩壊や対消滅に伴い放出される特性エックス線と荷電粒子群を測定・検出してエキゾチック原子種を同定する「エキゾチック原子法」の高度化を推進し本研究領域内の新機軸を探究することである。エキゾチック原子法の中核は中央検出器アレイが担う。検出器アレイは、入射反原子核に対する減速材とエキゾチック原子形成ターゲット、および、エックス線や荷電粒子飛跡の検出の役割を兼ねる。本研究では、検出器に求められる高いエネルギー分解能・空間分解能や適度な物質量を比較的容易に実現できる検出器として、リチウムドリフト型シリコン(Si(Li))検出器を採用した。そして、Si(Li)検出器の開発・高性能化のため、Si(Li)検出器の評価モデルを構築・確認し、広い温度範囲での特性評価などの各種試験を通じてSi(Li)検出器の高性能化に向けた基盤的データを取得した。次に、Si(Li)検出器を他分野にも活用することを目指し、GEANT数値シミュレーションにより、放射線医療や宇宙ガンマ線観測への応用検討を行い、それらの成立性を確認した。また、エキゾチック原子法の初の応用例として、宇宙線反原子核観測計画であるGAPS(General Anti-Particle Spectrometer)実験の測定器構成を念頭に、大規模Si(Li)検出器アレイの温度を比較的簡便に制御し検出器アレイを一括で校正できる試験システムを開発した。GEANT数値シミュレーションによる検出器アレイの設計最適化検討も進め、機械学習との融合によって反粒子識別能力を増強させたデータ解析ツールの開発も行った。これらにより得られた成果は学会や学術論文として発表した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 5件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 10件) 備考 (2件)
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https://gaps.isas.jaxa.jp/
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