研究領域 | マルチスケール精神病態の構成的理解 |
研究課題/領域番号 |
19H05203
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
橋本 謙二 千葉大学, 社会精神保健教育研究センター, 教授 (10189483)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
|
キーワード | 双極性障害 / iPS細胞 / BDNF / 巨核球 / RNA-seq解析 |
研究開始時の研究の概要 |
双極性障害は代表的な精神疾患であるにもかかわらず、統合失調症と比較すると病因・病態解明は遅れている。双極性障害を含む気分障害の血液バイオマーカーとして、脳由来神経栄養因子(BDNF: Brain-derived neurotrophic factor)の異常が知られており、多くのメタ解析から証明されている。また血液中BDNF濃度は、血小板由来である事が報告されている。血小板は巨核球より生成されるので、健常者および双極性障害患者のiPS細胞から分化した巨核球細胞を調べることにより、双極性障害の病因を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
双極性障害は代表的な精神疾患であるが、双極性障害の病因は未だ不明な点が多い。近年、精神疾患患者のiPS細胞から分化した細胞を用いた研究が盛んになって いるが、精神疾患のiPS細胞を用いた研究は、iPS細胞から分化した神経細胞やグリア細胞を用いた研究が主である。一方、双極性障害を含む気分障害の血液バイオマーカーとして、脳由来神経栄養因子(BDNF: Brain-derived neurotrophic factor)の異常が知られており、多くのメタ解析から証明されている。血液中のBDNF濃度は、脳内濃度より高く、血液中BDNF濃度の多くは、血小板由来であると考えられている。興味深い事にBDNF遺 伝子は、血小板に分化する巨核球に存在することから、本研究では巨核球を用いて双極性障害の病因を調べた。健常者と双極性障害患者のiPS細胞は、共同研究者のスウェーデンの鮒恵子先生から提供されたサンプルを使用した。ますヒト由来iPS細胞から巨核球に分化し、BDNFの遺伝子発現の測定、網羅的なRNA-seq解析を実施し、双極性障害の病因における血液由来のBDNFの役割および網羅的解析を実施した。その結果、巨核球においてエストロゲン合成系、カルシウムシグナル系、神経炎症に関わるシグナル系が同定された。 またiPS細胞における健常者と双極性障害患者のBDNF遺伝子発現を測定した結果、患者群でBDNF mRNAの発現が、健常者と比較して有意に低いことが判った。一方、神経に分化した神経細胞では、患者群の方が健常者と比較して高い値を示した。アンチセンスBDNF-ASの遺伝子発現は両群で差が無かった。さらに、死後脳を用いた研究でも、BDNF遺伝子発現は両群で有意な差があったが、アンチセンスBDNF-ASの遺伝子発現は両群で差が無かった。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|