研究領域 | マルチスケール精神病態の構成的理解 |
研究課題/領域番号 |
19H05212
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
王 丹 京都大学, 高等研究院, 特定拠点准教授 (50615482)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | RNAメチル化 / YTHDF1 / 微小管 / APC / m1A / inosine / シナプトーム / 修飾塩基 / イノシン / N1-アデノシン / シナプス / 網羅解析 / NGS / 局所翻訳 / 精神疾患 / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
精神疾患のバイオマーカー、診断法、治療法の開発において、手がかりが掴めていない。申請者はシナプスに局在するRNAの化学修飾(シナプスに局在するエピトランスクリプトーム)に着目し、特にメチル化アデノシン塩基(m6A)をもつmRNAおよびlncRNAを網羅的に解析した結果、ヒト神経発達および精神疾患に関与する数千もの遺伝子の転写物が検出され、その修飾認識の阻害がシナプス形態および機能の異常を誘発することを明らかにした。本研れは、化学修飾を目印にしたRNA群の詳細な機能解析をすることによって、シナプスの生理的機能や精神疾患の分子病態の解明に挑む。
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研究実績の概要 |
2020年は予定通り、研究計画項目2を実施し、RNAメチル化修飾に関連するタンパク質の機能阻害実験を行い、マウス海馬の神経細胞の機能への影響をin vitroとin vivoの両方において検証した。具体的には、自発的神経活動が起きる初代培養神経細胞を用い、RNA修飾を制御する分子YTHDF1の発現レベルをRNAノックダウン技術を用いて操作し、神経の発達状況やスパイン形成、さらにin vivoでの神経発達の検証実験などを行った。その結果、RNA修飾読み取りタンパク質YTHDF1は分化後の神経細胞に高発現し、その機能欠損は培養神経細胞の中で極性、軸索、樹状突起、スパインなどさまざまな発達段階を阻害することを明らかになった。さらに、YTHDF1の機能を表出する細胞メカニズムとして、微小管末端に存在する翻訳制御タンパクadenomatous polyposis coli(APC)を同定した。RNAメチル化修飾とその下流シグナルを読み取るYTHDF1はAPC顆粒の形成に必要とされる。その欠損によるAPC顆粒の機能喪失は微小管の機能を阻害し、神経発達に障害をもたらすことを明らかにした。さらに、統合失調症および自閉症と関係するゲノム変異がRNAメチル化酵素に存在し、こちらの変異を神経細胞に導入した際に、同じに神経細胞の発達が阻害される結果が得られた(bioRxiv, 2021)。この結果から、RNAメチル化修飾の不具合が神経発達障害につながる可能性を示唆される。最後に、RNA修飾と遺伝子関連の解析ツールの開発や、脳内にあるRNA修飾の多様性とストレスによる精神疾患(PTSD)に注目した解析結果を発表した(Bioconductor, 2021; bioRxiv 2021.02.17.431575)
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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