公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究では、発達心理学的手法・非侵襲的脳機能計測・生物学的因子解析を併用した学際的アプローチにより、小児~思春期児童を対象に“情動が時間知覚に与える影響”の発達過程とその個人差の神経生物学的基盤を明らかにする。
【研究目的】 不快情動を感じている時には、時間の流れを遅く感じることが知られている。さらに、成人を対象とした近年の研究から“情動が時間知覚に与える影響”の大きさが、個々人の不安感・うつ症状の強さにより異なる可能性が指摘されている他、不安感・うつ症状の個人差を規定する生物学的因子が明らかにされつつある。これらを踏まえると、生物学的因子と神経系発達の影響により、発達途上の小児~思春期の主観的時間経験の個人差が生じていると考えられる。しかし、小児~思春期児童を対象とした、“情動が時間知覚に与える影響”の発達過程とその個人差についての実証的研究は世界的に見ても存在しない。本研究の目的は発達心理学・脳機能計測・生物学的因子解析を統合した学際的アプローチにより、“情動が時間知覚に与える影響”の小児~思春期おける発達過程とその個人差の神経生物学的基盤を明らかにすることである。【研究の意義と重要性】情動が時間知覚に与える影響の強さは、気分障害の有無によって異なる可能性が示唆されている。まあ、注意欠如・多動症をはじめとした発達障害の人々が、定型発達者とは異なる時間情報処理を行うことが知られている。本研究の成果により、時間知覚の発達過程の個人差に関する基礎知見のみならず、うつ病・不安障害等の気分障害の病態に関し、時間知覚の観点から、新たな情報が得られると期待される。一方、成人を対象とした時間知覚研究は数多いが、その発達過程に関する学術的知見は乏しい。本研究により、時間知覚の発達過程とその多様性に関する新規知見が明らかになると期待されるため、本研究の学術的意義は大きい。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (2件)
Artificial Life and Robotics
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Acta medica Nagasakiensia
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