研究領域 | ゲノム配列を核としたヤポネシア人の起源と成立の解明 |
研究課題/領域番号 |
19H05342
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中山 一大 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (90433581)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2019年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 褐色脂肪組織 / 寒冷適応 / ヒトゲノム多様性 / 日本列島人 / 一塩基多型 |
研究開始時の研究の概要 |
元来温かい地域に適応した動物であったヒトが寒冷な高緯度地域に進出することができた理由の一つに、高い熱産生能力を獲得できたことが挙げられる。日本列島人は遺伝的に多様なヒトの集団で、寒さに対する適応能力にも大きな個人差があることが報告されている。本研究では、寒さへの適応能力の個人差に寄与するゲノム多型の探索を通して、日本列島人の適応能力についての新知見を得ることを目指す。
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研究実績の概要 |
北海道在住の成人352名を対象として、放射性フッ素同位体標識グルコース投与とPET-CTによる褐色脂肪組織活性の測定実験を実施し、同時に口腔スワブ由来のゲノムDNAを収集した。Axiom Japonica Arrayで約66万のSNPの遺伝型判定を実施後、インピュテーションを実施し、全ゲノム規模でのSNPと小規模な挿入・欠失多型を含むsmall nucleotide variant:(SNV)の遺伝型データを取得した。クオリティ・コントロール後の約570万のSNVを用いてGWASを実施した。なお、GWASでは被検者の性別と年齢を共変量として投入した。GWASの結果、12番染色体長腕領域にゲノムワイドな有意水準であるP < 5×10-8を記録したSNVが複数検出された。最も低いP値が記録されたSNVは、TGジヌクレオチドリピートからなる繰り返し多型で、被検者集団の中に繰り返し数が14、15、および16の少なくとも3つのアレルが存在しており、14回繰り返しアレルの保有者が褐色脂肪組織活性が低い傾向があった。次に、九州大学で実施した寒冷曝露実験の被検者についてもこのTGリピートの遺伝型判定を実施し、寒冷曝露下での各種生理反応との相関を調査した。その結果、14回繰り返しアレルの保有者は、褐色脂肪組織の主要な存在部位である鎖骨上窩部の皮下温度が低いことが判明した。さらに、寒冷曝露開始後55~85分の間での酸素消費量の増大が、14回繰り返しアレルの保有者ではより小さいことが明らかになった。また、この繰り返し多型のアレル頻度を1000人ゲノム計画の試料で調査したところ、褐色脂肪組織の活性が低い14回繰り返しアレルは、日本人をはじめとした東アジア人で高く(50%)、南アジア人・ヨーロッパ人では低いことが明らかになった(それぞれ19%と8%)。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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