公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
海馬や大脳皮質の興奮性神経細胞上には数千個以上のシナプス(スパイン)が存在しており、多数のシナプスからの入力を同時に受けることで活動電位を発生する。一方で、我々は最近、個々のスパインの反応性に大きなバラつきがあり、入力に対して極めて大きな出力を生むものが存在していることを見出しつつある。本研究の目的は、入力信号を大きな出力に変換し、細胞状態を大きく変えるようなキーとなるスパイン(シンギュラリティスパイン)を最先端の光学顕微鏡を駆使することで同定しその分子メカニズムを明らかにすることである。
海馬や大脳皮質の興奮性神経細胞上には数千個以上のシナプスが存在しており、多数のシナプスからの入力を同時に受けることで活動電位を発生する。本研究の目的は、入力信号を大きな出力に変換し、細胞状態を大きく変えるようなキーとなるスパイン(シンギュラリティスパイン)を同定しその分子メカニズムを明らかにすることであった。具体的には、シナプスの形態変化や長期増強にとって重要な働きをしていると考えられるCaMKII分子に着目し、その活性を青色光照射で制御できるように遺伝子改変を行った。これを神経細胞に応用し、単一スパインを定量的に活性化させた時のスパイン内シグナリングと形態変化を2光子蛍光寿命イメージング顕微鏡でモニターした。これにより、単一スパイン内で光応答性CaMKIIを活性化させるとスパイン体積の増大と低分子量Gタンパク質Cdc42の活性化が惹起されることを見出した。さらに、光応答性CaMKIIを近接する7個程度のスパインでほぼ同時に活性化させると、単一スパイン刺激の時よりも持続的なCdc42活性化とスパイン体積の増大が観察された。すなわち、CaMKIIの空間的活性化パターンが、シンギュラリティ的にシナプス可塑性のレベルを調節する機構が存在することを見出した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 4件、 招待講演 9件) 備考 (1件)
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