研究領域 | トランスカルチャー状況下における顔身体学の構築―多文化をつなぐ顔と身体表現 |
研究課題/領域番号 |
20H04569
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
大杉 尚之 山形大学, 人文社会科学部, 准教授 (90790973)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | お辞儀 / 魅力 / 身体動作 / 挨拶 / あいさつ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,複数の文化圏の集団に対してお辞儀が人物印象に及ぼす影響を検討し,この効果の文化依存性を明らかにする。研究1では西洋と東洋の集団に対して,お辞儀が人物印象に及ぼす影響を検討する。CG)の人物モデルにお辞儀をさせ,動作後にその人物の印象(魅力,礼儀正しさ,従順さ)を評定する。また,お辞儀動作の3つのフェイズ(屈曲,停止,伸長),モデルの人種を操作し,文化的背景が及ぼす影響について検討する。研究2では,東洋の文化圏内における比較から,お辞儀の日常的な習慣が及ぼす影響を検討する。研究3では,お辞儀の習慣がない文化圏も含めて比較をすることで,お辞儀動作の文化普遍的な意味づけについて検討する。
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研究実績の概要 |
「お辞儀」が第一印象に影響することは,日本においては一般的に信じられているが,実験的研究はほとんど行われてこなかった。研究代表者らは一連の研究により,日本人の大学生を対象とした実験を行い,お辞儀が顔の魅力を上昇させることを明らかにしてきた。その原因について,日本の文化的背景の影響を仮定してきたが,日本人大学生だけを対象とした実験では結論づけることはできない。そこで本研究では,複数の文化圏の集団に対してお辞儀が人物印象に及ぼす影響を検討し,この効果の文化依存性を明らかにすることを目的とした。今年度は,日本,中国(東洋文化圏内の国),米国,台湾の参加者を対象とした文化間比較実験をウェブ上で行った結果,1)お辞儀の効果(およびお辞儀の停止時間の効果)は東洋文化圏の方が頑健に示されること,2)停止ありのお辞儀による飛躍的な魅力上昇は日本特有であることが明らかとなった。次に,日本と米国の参加者を対象とし,お辞儀をするモデルの属性(性別,外見の魅力,人種)を操作した実験を行った結果,モデルの属性によらずお辞儀による魅力上昇効果は一貫して生起し,お辞儀の停止時間による魅力上昇量の増加もほぼ変わらないこと,お辞儀をする人物モデルの人種との組み合わせ効果でお辞儀効果の生起が決定されるのではなく,実験参加者の集団の違いで決定されることが明らかとなった。また,米国の参加者においてもモデルの外見の魅力によって魅力上昇量は変化していることから,参加者が課題を理解していなかった可能性も否定された。以上より,お辞儀による魅力上昇効果およびお辞儀の停止時間による魅力上昇量の増加は日本人の集団において特異的に見られる可能性が示された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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