研究領域 | トランスカルチャー状況下における顔身体学の構築―多文化をつなぐ顔と身体表現 |
研究課題/領域番号 |
20H04574
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小田桐 拓志 金沢大学, GS教育系, 准教授 (80834861)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ヒューマニズム / 解釈学 / 和辻 / 表現 / 瀬尾 / アニメーション / コロニアリズム / 生殖医療 / embodiment / ethics / humanism / colonialism / cinema / 身体 / 倫理 / 価値 / 動物 |
研究開始時の研究の概要 |
This project examines the concept and ethics of humanism as a theoretical framework for face-body studies in transcultural conditions. The project will involve creating a visual ethnography of body images that will include philosophical reflections inspired by various phenomenological or critical texts.
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研究実績の概要 |
この研究ではトランスカルチャー状況下の顔身体学の理論的枠組みとしてヒューマニズムの概念を検討した。前提となるのは、顔身体の経験は倫理的/価値的であり行動科学的研究だけでは顔身体現象を解明できないという主張である。この研究では心理学や文化人類学などの実証的な顔身体学を補完するために、倫理学とメディア学における価値的な研究を計画した。 顔身体は一方で顕在的で隠すことのできない媒体であるが、他方でその理解やコミュニケーションには価値や意味の次元が隠れている。つまり、顔身体という現象は価値の無意識な媒体である。研究成果は領域会議及び国際学会や国際ワークショップで発表された。(1)戦中期におけるヒューマニズムと顔身体の事例として、和辻による解釈学的倫理学を研究した。和辻は表情やしぐさなどの身体的表現を解釈学的に分析している。和辻の解釈学において身体的表現は現象学的な志向性としては分析できない。つまり和辻にとっての「表現」とは「私-それ」の行為性でも「私-汝」の行為連関でもない。和辻の解釈学的倫理学は、ヒューマニズムの一形態であるが同時にそれを批判する可能性も内包する。(2)これと同時期の映画メディアにおける顔身体表現にも着目した。瀬尾光世のアニメーション映画における顔身体表現では、人間と動物という区分が植民者と被植民者という区分と複雑に交錯している。そこではヒューマニズムとコロニアリズムが別々の次元で表象されており、しかも両者は密接に関連している。 (3)現代医療的な観点からの顔身体の価値的研究として妊娠中絶や生殖医療について(あるいはより広く女性の身体と医療について)研究した。(1)(2)(3)はどれもヒューマニズムという価値的現象に着目しているが、それぞれのヒューマニズム概念は異なる。しかしいずれにおいても顔身体はヒューマニズムという価値の重要な媒体でありかつ無意識である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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