研究領域 | トランスカルチャー状況下における顔身体学の構築―多文化をつなぐ顔と身体表現 |
研究課題/領域番号 |
20H04577
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上田 祥行 京都大学, こころの未来研究センター, 特定講師 (80582494)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 顔認知 / 表情 / 社会的相互作用 / 対人認知 / 関係性認知 / 発達 / 集団 / 文化差 |
研究開始時の研究の概要 |
最近の研究で、表情を手掛かりとした関係性の認知には、文化普遍的な側面(どの文化でも、怒り表情の人物は支配性を高く感じさせるが、2者間の関係性を支配しているのは笑顔や真顔の人物であるということ)と文化特異的な側面(笑顔や真顔の人物が集団の中でどの程度ドミナントな立場であると見なされるのかは文化によって異なる)があることが示された。これらの知見を踏まえ本研究では、①どの発達段階から、2つの基準を区別し、文化特異的な関係性の認知を獲得するようになるのか、②関係性認知のメカニズムは、より多くの人物が関与している状況でも同様に機能し、文化特異的な差異を産み出すのか、の2点を検討する。
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研究実績の概要 |
関係性の認知の検討するために、アメリカ・イギリス・日本でオンライン実験を行った。向かい合う二名を第三者的な視点から見て、どちらの人物がよりドミナントな立場であるかを判断するように教示された二者比較において、日本の成人では笑顔を表出する人物がドミナントであると判断されたが、アメリカやイギリスでは真顔(中立表情)の人物がドミナントであると判断された。これは、表情が伝えるシグナルが文化間で異なって解釈されることを示唆している。発達過程を検討するために、同様の実験を、日本の小学生(高学年)・中学生・高校生を対象に実施した。その結果、小学生や中学生では、笑顔と真顔のドミナンスの程度は同じだと判断され、高校生で笑顔のほうがドミナントだと判断された。これらの結果から、表情の解釈に文化的傾向が表れるのは10代後半であり、単純な顔認識の発達よりも遅いことが示唆される。 さらに、二者比較のパラダイムを拡張して六人が関与する場面とし、ここまでの知見が集団場面にも拡張できるかを検討した。実験では、表情やモデルの性別、モデルのアイデンティティをランダムに6名選択し、一斉に画面に呈示した。この結果、二者場面と同様に、笑顔の人物が集団の中で最もドミナントな人物であると判断された。また、選択率に基づいて刺激写真を合成したところ、集団内でドミナントに見られる顔の視覚イメージを得ることができた。これらの結果は、二者場面で得られた知見が、より大人数の状況にも拡張できることを示している。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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