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ジャイロイド構造形成の動的分子論の探究

公募研究

研究領域次世代物質探索のための離散幾何学
研究課題/領域番号 20H04629
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関筑波大学

研究代表者

齋藤 一弥  筑波大学, 数理物質系, 教授 (30195979)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
キーワードジャイロイド / 液晶 / 古典スピン模型 / エントロピー / 計算機シミュレーション / 三角格子 / 連続スピンモデル / 相転移
研究開始時の研究の概要

高分子・液晶などが示すジャイロイド構造は自然が作る美しい造形である.ジャイロイド構造の形成機構については数多くの研究があるが,その多くは連続体描像に基づく.一方,液晶では単位格子の大きさは分子長の数倍なのでこの構造の分子論的に記述が可能であり,実際,研究代表者はある種の液晶について,そうした記述を成し遂げた.本研究では,この成果に立って,実験と理論の両面から,ジャイロイド構造形成機構の動的分子論を探究する.

研究実績の概要

液晶性ジャイロイドの形成機構を明らかにするための基礎研究として,並行配列を嫌う古典スピンモデルの解析に注力した.液晶性ジャイロイド相に関する実験研究から分子の逆紡錘型形状の重要性が明らかになっているので,隣接分子が平行でも反平行でもない配列を好む場合の基本的な挙動は検討に値する.いくつかの2次元格子上で古典無頭スピン系のシミュレーションを行ったところ,三角格子に限って種々の異常な挙動が見られた.まず,bipartiteな格子上の基底状態と質的に異なる基底状態(最低エネルギー状態)を持つのでその性質を明らかにした.bipartiteな場合には基底状態は連続的に縮退しているが,三角格子やカゴメ格子では,フラストレーションは無いが,有限の巨視的エントロピーを持つ縮退状態にある.この状態は離散的であり,計算で得られた熱容量からも確認できた.有限温度については,Hohenberg-Mermin-Wagnerの定理(HMW定理)によれば,連続的な配向自由度を持つ古典スピン系は有限温度で相転移を示さないと考えられているにも関わらず,三角格子では局所的な回転対称性の破れを伴う相転移が起きている事がわかった(出版済).このHMW転移に一見反する相転移の存在について外場を印加したシミュレーションにより情報の収集を行いいくつかの知見を得た(出版準備中).一方,長距離秩序を持たず局所的な対象性の破れが相転移をもたらしているため,格子の幾何構造の重要性に注目し正多面体型スピンクラスターの「相転移」の可能性について検討した.必要な幾何構造を満たす「多面体」が高次元を含めごく少数しか存在しない事実に立脚し,それらのすべてについてシミュレーションを実施して,いずれにの場合も外部基準を必要としない定性的な変化が物性量の温度変化に現れることを見出した(出版準備中).

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Two-Dimensional Spin Model Possibly Undergoing a Phase Transition: Heisenberg Model of Headless Spins Preferring Twist on Triangular Lattice2021

    • 著者名/発表者名
      Saito Kazuya、Hishida Mafumi、Yamamura Yasuhisa
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan

      巻: 90 号: 12 ページ: 124003-124003

    • DOI

      10.7566/jpsj.90.124003

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 三角格子上の捻れを好む無向古典スピンの集団:外場中の相転移2022

    • 著者名/発表者名
      齋藤一弥,山村泰久
    • 学会等名
      日本物理学会第77回年次大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] Small Spin Clusters Mimicking a Temperature Induced Phase Transition2022

    • 著者名/発表者名
      Kazuya SAITO
    • 学会等名
      Multiscale Phenomena in Condensed Matter
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2022-12-28  

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