研究領域 | 次世代物質探索のための離散幾何学 |
研究課題/領域番号 |
20H04630
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
桂 法称 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (80534594)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | Berry位相 / 非エルミート量子系 / SPT相 / 共形場理論 / 平坦バンド / トポロジカル相 / 磁性体 / マグノン / 非エルミート系 / Hubbard模型 / Bose-Hubbard模型 / 開放量子系 / GKSL方程式 / トポロジカル不変量 |
研究開始時の研究の概要 |
トポロジカル絶縁体の理論的・実験的発見をきっかけに、物質におけるトポロジカル相の研究は進展しているが、これらは電子系に関するものが主であり、電荷自由度をもたない磁性体やボース粒子からなる系をトポロジカルな観点から調べる研究は、まだ発展途上の段階にある。本研究では、磁性体中の素励起(ある種の粒子の集まりとみなせる多体系の励起状態)のトポロジカルな性質や、1次元量子スピン系や原子系における対称性に保護されたトポロジカル相の性質を理論的に探究する。
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研究実績の概要 |
当該年度の主な結果として、以下の2つに関するものが挙げられる。(1)非エルミート量子多体系のBerry位相による特徴付け、(2)量子スピン鎖における双対性と臨界性。
(1)対称性により0かπに量子化することが保証されているBerry位相(量子化Berry位相)を、系のトポロジカルな特徴付けに用いることは、エルミートな量子多体系では盛んに行われている。本研究では、非エルミートな量子多体系に対しても適切に定義されたBerry位相は、ある種の対称性の下でその実部が0かπに量子化することを明らかにした。また、このことを用いて非エルミートなフェルミオン系や、純虚数の磁場や一軸異方性のある量子スピン鎖の相図の計算を行い、このアプローチが有効であることを示した。 (2)スピン1の量子スピン鎖のHaldane相は、対称性に守られたトポロジカル(SPT)相の典型例である。この相は、Kennedy-Tasakiの非局所ユニタリー変換(KT変換)により、Z2xZ2対称性の破れた相へと変換される。本研究では、Haldane相にあるスピン1のbilinear-biquadratic (BLBQ)模型とそれにKT変換を施したものをひとつのパラメターで内挿した場合、何が起こるかを調べた。その結果、パラメターをBLBQ模型から変化させると、3つの相転移があり、それらがそれぞれIsing, Gaussian, Isingの共形場理論で記述されることを明らかにした。また、これらの臨界性をアノマリーの観点から議論した。
この他にも、(3)ηペアリング状態のSU(N)対称性のある格子フェルミオン系における自然な拡張とその非対角長距離秩序、(4)平坦バンド系の系統的な構成法、(5)平坦バンドのある強相関ボゾン系、等に関する研究を行った。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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