研究領域 | 次世代物質探索のための離散幾何学 |
研究課題/領域番号 |
20H04645
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
斎木 敏治 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (70261196)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | イジング問題 / 固有値問題 / ネットワーク / 磁性粒子 / パーシステントホモロジー / 弾性体 / 人工原子 / トポロジカル構造 / コロイド結晶 / イジングマシン / ポリマーネットワーク / スピングラス / 組み合わせ最適化問題 / ポリマー |
研究開始時の研究の概要 |
コロイド粒子を人工的な原子とみなし、原子間のトポロジー的相関を操ることにより、イジングマシンの解探索機能向上やポリマーに代表される柔らかい物性におけるトポロジーの本質的役割を抽出することを目的とする。人工原子という離散的な構成要素に対して、自由度のきわめて大きい柔らかさをもつ系を研究対象とし、動的なトポロジカル構造とその自律的最適化が機能の本質をもたらすことを実験的に実証する。
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研究実績の概要 |
2次元連成振動子モデルによるイジングスピン問題の解探索:N×Nイジングスピン系を、それと等価な連成振動子系として固有値問題に置き換えることによって高速に最適解を探索する手法を考案した。固有ベクトルの成分、すなわち各振動子の振幅の2次元マッピングを通じて、フラストレーションが固有モードの「節」に集中する(周囲との4つの隣接結合のうち3つ以上が満たされていない状況)ことを見出した。このフラストレーションの局在化により、当該振動子の振幅符号を単に反転させるだけでフラストレーションを一気に解消できることが明らかとなった。ベンチマークとして、最適解を得るまでに要する計算時間をシミュレーテッドアニーリングと比較したところ、約3倍の高速化が達成された。フラストレーションを局在化し、適度に良い解を得る本手法は、時々刻々変化する問題に対してロバストな指針を提供することができ、現実世界での最適化問題への適用が期待される。 磁性粒子によるラビリンス構造の形成と力学的特性の評価:磁性粒子を、高さがその直径の1.5倍程度の2次元スリットに閉じ込め、垂直磁場を印加することにより、ラビリンス構造を形成した。座屈的な1次元配列が安定な構造となるが、1次元配列同士は反発するので、自律的にラビリンス構造形成に至る。1次元配列の安定性と反発のバランスを磁場の強さによって制御した。実験と並行して動力学的シミュレーションを実施した。自律的に形成された構造の特徴をパーシステント・ホモロジーによって解析し、さらに特徴量を抽出した。粒子を2次元的にも閉じ込め、その閉じ込め領域サイズの関数として特徴量をプロットすると、磁場の強さに応じて、収縮と拡張の往復過程においてヒステリシスや可塑性が生じることを見出した。この結果は、磁性粒子を包埋した3次元構造が弾性体としてそのような特性を有することを示唆している。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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