研究領域 | 次世代物質探索のための離散幾何学 |
研究課題/領域番号 |
20H04647
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 仙台高等専門学校 |
研究代表者 |
鯉渕 弘資 仙台高等専門学校, その他, 名誉教授 (00178196)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | Finsler幾何 / スキルミオン / スキルミオンの異方的変形 / スキルミオンの安定性 / 材料科学 / 異方的変形 / Monte Carlo / 統計力学モデル / Monte Carloシミュレーション / ポリマー材料 / 統計力学的モデル |
研究開始時の研究の概要 |
(1)一軸応力によるスキルミオンの異方的変形 (2)ポリマーおよびセラミクス強誘電体の圧電効果,強磁性体における磁歪現象 をFinsler幾何モデルによって研究する。これらは,外力に対する力学的応答が異方的(=方向依存)に現れるという特徴を持つ。その異方性の起源はミクロな原子や電子の相互作用の異方性であるとされているが,「その相互作用の異方性がどこから来るのか」という問題がある。そこで,物質内部の距離が外力によって方向依存になると考える。すると,この方向依存の距離から自然にミクロな相互作用の異方性が生まれ,その結果,力学的応答が異方的になる。この離散幾何的な考え方で上記の例が説明できることを示す。
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研究実績の概要 |
この研究は (1) 一軸応力によるスキルミオンの異方的変形の起源 (2) 強誘電体の圧電効果,強磁性体における磁歪現象の統一的描像 を主テーマに出発した。(2)に関しては、令和2年度に既に論文化なされたため(https://doi.org/10.1103/PhysRevB.104.024402)、令和3年度は(1)を実施し、さらに追加の研究を実施した(http://arxiv.org/abs/2112.02173 :Results in Physics に掲載予定)。 (1)では、磁石に応力をかけるとスキルミオンの形が円形から楕円形に変化するのはなぜかという問題に、Finsler幾何(Finsler Geometry:FG)という距離の異方性を扱う数学的方法を適用した。スキルミオンが変形するのは、その相互作用定数(Dzyaloshinskii-Moriya Interaction:DMI)Dが方向依存になる、即ち、DxとDyの大きさが異なるためということが知られていた。しかし、これまで数値計算では、方向依存のDMI定数Dx,Dyをinputデータとして仮定していた。一方、申請者らのFGモデルではinputするのは実験と同じく外力のみである。FGモデルでは内部自由度として「ひずみ場」を導入する。このひずみ場が外部応力で向きを変えることで物質内部に「距離の異方性」が発生する。このように、外力によって内部自由度が異方性を帯びると、物質内部のFinslerの距離が方向依存になる。これにより、微分が方向依存になることで、微分で表わせる相互作用が異方的になる。追加の研究では、一軸応力はスキルミオンを安定化・不安定化させるという実験結果を、数値計算で再現した。異方的変形を再現するために導入したひずみ場は、スキルミオンの安定化・不安定化にも役割を果たすことを示した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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