研究領域 | 分子夾雑の生命化学 |
研究課題/領域番号 |
20H04721
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
毛利 一成 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (00567513)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 1分子追跡 / FCS / FLIM / 1分子FLIM / 神経軸索輸送 / 1分子計測 / 1分子FLIM |
研究開始時の研究の概要 |
我々は共焦点顕微鏡の画像解析法を開発により、容易に細胞内の多点FCSやFCCSを行う手法を提案し、キネシン2量体化の微小管による協同性の可能性を示唆する結果を得た。上記結果のさらなる検証のため、これまでに開発してきた全反射顕微鏡による高速1分子計測技術の他に、共焦点顕微鏡による1分子計測の実現を目指す。この共焦点顕微鏡には時間相関単一光子計数(TCSPC)装置が整備され、画像の各ピクセルにおける蛍光寿命の推定が可能なため、FRETによる蛍光寿命の減衰など局所的な分子間相互作用の検出可能性を検証する。これらを統合することで1分子FLIMによる神経軸索輸送システムの分子基盤解明を目指す。
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研究実績の概要 |
これまでに我々は全反射顕微鏡により時間分解能5ms の高速な細胞内1 分子計測法を確立してきた。ところが、蛍光分子の輝度や位置だけでは、分子の状態や周囲の粘性といった環境条件はわからない。そこで我々は共焦点顕微鏡の画像解析法を開発することで、容易に細胞内で多点蛍光(相互)相関分光法(FCS・FCCS)を行う手法提案した。この手法を細胞内で相分離液滴を形成するとされる、ストレス顆粒内外を行き来するG3BP1タンパク質の拡散係数の同時推定に用いることが可能であることを確認した。FCSにおいてはPSF内を通過する分子の数を、分子の集団運動に基づいて推定することが可能な手法であるが、空間情報が得られないため、輝点の追跡を基礎とした1分子計測を行うことは不可能であった。本手法のFCSは1次元の空間情報を持つため、適切な計測対象と計測条件を選択することでFCSのみならず、1分子輝点追跡(SPT)も可能であると予想された。そこで分子モーターキネシンの微小管上運動のin vitro1分子実験を行った。SPTの時間分解能はFCS同様最短100us程度であり、通常1um/sec程度で運動する分子モーターは1nm/frame以下しか進まないため、輝点追跡を実験的に検証し確認した。さらにin vivo実験では神経軸索を用いて、直径300nm程度の1次元空間を通過する分子モーターの計測を行い、ATP加水分解しながら能動的に進む運動のみならず、より高速に軸索内輸送される分子拡散をも1分子追跡できた。本SPT手法はFLIM装置とも容易に共存でき、SPTの輝点位置情報とその点における蛍光寿命情報が同時に得られた。微小管上のキネシンの蛍光寿命は細胞質よりも短いことが計測され、FLIM-FRETの計測が実現できた。これを1分子輝点への応用を試み、蛍光寿命の推定も可能であることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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