研究領域 | 化学コミュニケーションのフロンティア |
研究課題/領域番号 |
20H04769
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
大神田 淳子 信州大学, 学術研究院農学系, 教授 (50233052)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | フシコクシン / 14-3-3 / mRNA / たんぱく質合成阻害 / 抗がん活性 / たんぱく質間相互作用 / プロテオミクス解析 / 天然変性たんぱく質 / タンデムタグ / 共免疫沈降 / 定量的質量分析 / mRNA翻訳抑制機構 / 抗がん剤 |
研究開始時の研究の概要 |
14-3-3たんぱく質は、酵母からヒトに至るすべての真核細胞生物に発現しシグナル伝達を調節する制御因子であり、発生、増殖、分化、細胞死、エピゲノム制御等々、生命維持に重要な事象のあらゆる局面に関与している。本研究では、植物毒フシコクシンの半合成的構造改変により14-3-3が調節する化学シグナルを正負に変調する有機化合物を創出し、生理活性作用機序の解明と14-3-3インタラクト―ム解析による14-3-3シグナルネットワークの全貌の記述、および本分子戦略が対象とし得る疾患のリストアップを通じて創薬の新たな展開に寄与することを目的とする。
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研究実績の概要 |
14-3-3たんぱく質は、酵母からヒトに至るすべての真核細胞生物に発現するシグナル調節因子であり、発生、増殖、分化、細胞死、エピゲノムの制御など、生命維持に重要な事象に関与している。有機化合物による14-3-3化学シグナルの自在な操作が可能になれば、天然変性リン酸化たんぱく質が関与する過渡的な反応場を標的とする新しい創薬への道が拓けると期待される。我々は、植物病原真菌が生産するジテルペン配糖体フシコクシン (FC)を基盤とした14-3-3・リン酸化たんぱく質間相互作用 (PPIs) 阻害剤、安定化剤、検出剤に関する研究の過程で、FCの半合成誘導体が特異な抗腫瘍活性を示し、その作用機序が特定の14-3-3シグナルの亢進に基づくことを示唆する知見を得た。 本研究では、ISIR-042の生物活性がフシコッカン骨格12位の化学構造に依存した14-3-3相互作用の安定化効果に帰着するとの仮説のもと、ISIR-042およびISIR-042Jが14-3-3インタラクトームに与える影響を網羅的に検証し、作用機序の全容を明らかにすることを目的とした。昨年度までに共免疫沈降実験により化合物依存的に14-3-3とのPPIが増強する標的たんぱく質を同定し、検証実験から化合物がmRNA翻訳抑制複合体の安定化に関与することを示唆する知見を得た。最終年度は、標的たんぱく質と14-3-3の相互作用機構の解明を目指し、標的たんぱく質の各種欠損変異体を作成し共免疫沈降実験を行った結果、N末端領域に14-3-3の結合サイトが存在することを示唆する結果を得た。この領域には14-3-3結合配列が存在するため、14-3-3の結合により標的たんぱく質および複合体の構造安定化が促進される可能性を示している。これらの研究成果は、mRNA翻訳抑制機構における14-3-3の役割を初めて明らかにした点で重要な知見と考えられ、過渡的な細胞応答反応の理解と制御に貢献することが期待される。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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