研究領域 | 化学コミュニケーションのフロンティア |
研究課題/領域番号 |
20H04790
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
清家 泰介 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (80760842)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 分裂酵母 / フェロモン / Gタンパク質共役型受容体 / Cre-loxPシステム / 次世代シーケンサー / 次世代シークエンサー |
研究開始時の研究の概要 |
動物から微生物まで、地球上の多くの生物は「フェロモン」と呼ばれる物質を体外に分泌し、異性個体を引きつけ交配している。フェロモンと受容体間の結合を介した化学コミュニーケーションは、同種間の認識および他種からの生殖隔離 (=個体間の交配が妨げられること)に極めて重要である。最近の酵母や両生類などの研究から、雌雄でのフェロモン認識における厳密さが違い (一方のフェロモン認識機構は「厳密」でありもう一方は「柔軟」)が報告されている。しかし、そのような機構を持つ理由は不明である。そこで本研究では、酵母を使って異性間での化学コミュニケーションの非対称性を生み出す分子的な仕組みと、その生物学的意義を探る。
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研究実績の概要 |
多くの動物や微生物では、フェロモンを利用して同種の異性を惹きつけ交配する。フェロモンの特異性は通常厳密なため、フェロモンとその受容体の組み合わせが変わると、異性の認識ができなくなり元の集団から隔離されてしまう。こうしたリスクがあるにもかかわらず、自然界ではフェロモンは非常に多様化している。フェロモンの遺伝的な変化は新しい種が誕生するための原動力になっていると考えられているが、フェロモンの多様性が生まれる仕組みについてはよく分かっていない。 そこで本研究では、分裂酵母Schizosaccharomyces pombeを使って「フェロモン (鍵)とその受容体 (鍵穴)」の認識特異性が生まれる仕組みを分子的に理解し、異性細胞間でのフェロモン認識の特異性を検証するとともに、フェロモンの特異性が酵母の交配に果たす役割を調べることにより、生物学的意義を探ることを目的とする。 本年度は、前年度に作製した変異型フェロモン受容体を発現する酵母細胞集団 (約1,000種)を用いて、P型フェロモン/受容体とM型フェロモン/受容体の特異性の違いを検証した。まず細胞集団を実験室環境下で継代培養し、交配した細胞のみを新しい培地に植え継ぐ実験を繰り返して、その度ごとに得られた細胞集団をグリセロールストックにて保存した。次に、各細胞集団からプラスミドライブラリーを取得し、DNAバーコードを含む部分だけを増幅して、次世代シーケンサーMiSeqで解析した。P型細胞とM型細胞のそれぞれの場合で、DNAバーコードの量と種類を定量した結果、バーコード分布の違いが見られた。これは受容体の特異性の違いを反映しているものと考えられる。そこで現在、ナノポアminIONを用いて、集団に濃縮された変異型受容体の配列の決定を試みている。以上の研究を通じて、酵母のフェロモン認識の仕組みを明らかにできるものと期待している。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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