研究領域 | 分子合成オンデマンドを実現するハイブリッド触媒系の創製 |
研究課題/領域番号 |
20H04815
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
加納 太一 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40372560)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 有機分子触媒 / アミン触媒 / 臭素化 / アルドール反応 / 動的速度論的分割 / 連続反応 / 不斉合成 / 有機触媒 / 不斉反応 |
研究開始時の研究の概要 |
アルデヒドやケトンは光学活性なアミン触媒とエナミン中間体を形成することで、求核剤として活性化され、系内に存在する求電子剤と反応してα位が置換されたアルデヒドやケトンを立体選択的に与える。プロリンのようなアミン触媒を用いると、アルデヒド間のアルドール反応が進行し、さらに生成物のアルデヒドに対する二回目のアルドール反応も進行する。しかしながら、形成される不斉炭素の立体化学は二度とも同じものとなり、他の立体異性体を作ることができない。そこで本研究では、二段階の反応それぞれを二種類のアミン触媒で促進することで、三連続した不斉点をもち、高度に官能基化された化合物の任意の立体異性体の不斉合成を目指す。
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研究実績の概要 |
光学活性なアミン触媒とカルボニル化合物から生じるエナミン中間体を求核剤として利用する反応では、さまざまな求電子剤が用いられてきたが、過酸化ベンゾイル(BPO)を求電子剤として用いると、カルボニル化合物のα位がベンゾイロキシ化された生成物が得られる。このとき、当研究室の開発した2-トリチルピロリジン触媒を用いると高いエナンチオ選択性で生成物が得られる。2-トリチルピロリジンは合成時の光学分割が煩雑という問題があったが、その後の検討の結果、trans-ヒドロキシプロリンから簡便に得られる触媒を用いると、より高い収率で生成物が得られることを見出している。この不斉ベンゾイロキシ化反応で得られるα位に酸素官能基をもった光学活性なアルデヒドを、スレオニン由来のアミン触媒によるジヒドロキシアセトン誘導体との不斉アルドール反応の求電子剤として利用したところ、三連続した不斉点をもったシン体のアルドール生成物が得られた。α位がベンゾイロキシ化されたラセミ体のアルデヒドを二段階目のアルドール反応の求電子剤として用いると、低収率ながら目的の立体異性体が高い立体選択性で得られることが判明した。収率が低いのはラセミ体のうち一方しか反応しないためであることから、α位がベンゾイロキシ化されたアルデヒドの代わりに、ラセミ化が進行しやすいα位が臭素化されたアルデヒドを用いた。その結果、一方のエナンチオマーが優先的に反応するものの、ラセミ化によってもう一方のエナンチオマーから供給が続くため、50%を超える収率で目的生成物が高立体選択的に得られることが明らかとなった。これは動的速度論的光学分割が起こっていることを示す結果であり、2段階の反応で2種類の光学活性なアミン触媒を用いなくても、1段階目の反応はラセミ体のアミン触媒を利用できるため、計画していた連続反応と比較してより実用性の高い連続反応を実現できた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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