研究領域 | 進化の制約と方向性 ~微生物から多細胞生物までを貫く表現型進化原理の解明~ |
研究課題/領域番号 |
20H04854
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
阿部 玄武 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (20550073)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
|
キーワード | 遊離軟条 / shh / 鰭条 / 種内多型 / 形態多様性 / 胸ヒレ / 鰭条本数ゆらぎ / カナガシラ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、種内ゆらぎの元となる発生メカニズムを特定し、そのメカニズムがある動物種を特徴づける特殊な形態の進化に必須である可能性を検証することを目的とする。種内ゆらぎのモデルとして魚類胸ビレの鰭条を取り扱い、環境に応答し胸ヒレ鰭条の本数ゆらぎと区画ゆらぎを生じる発生メカニズムを特定する。この発生メカニズムとしてshh経路とhox発現制御に注目する。さらに、種を特徴づける特殊な形態として遊離軟条を扱う。Shh経路やhox遺伝子による発生メカニズムが、ホウボウ科魚種の遊離軟条の形態進化に関わるのかを明らかにする。
|
研究実績の概要 |
魚のヒレは脊椎動物の器官でもっとも多様性に富んだ構造の一つで、器官の発生や機能を形態進化に結びつける非常に良いモデルとなる。そのヒレ先端部にある鰭条は、多くの魚種で個体ごとに本数のゆらぎが見られ、また様々な環境に適応するために種ごとに多様な形態も示す。例えば海底に生息するホウボウ科魚種は、鰭条の一部を独立に運動可能にした特殊な構造(遊離軟条)を持つ。本研究は、この胸ヒレ鰭条において、本数に部位的制約をもってゆらぎを起こす外的要因とその要因が標的とするカスケードを特定することを目的とした。さらに、これらについて胸ヒレ鰭条の特殊形態との進化発生的関係を示し、「種内でゆらぎやすい仕組み」を用いて「種間多様性や形態特殊性を生み出す」という可能性を議論した。 まず真骨魚全体のヒレ骨格パターンの進化傾向を調べるため、真骨魚全体にわたるさまざまな系統の魚種を取得し、その胸ヒレ骨格の形態パターンを解析した。その結果、様々な形態特徴が正真骨魚グループのある時期を境に現れ、それがshhやhox遺伝子のゲノム構造の変遷と同期している可能性が得られた。さらに、ゼブラフィッシュの胸ヒレにおいて、shh・hox遺伝子が種内のゆらぎ現象に関与する事を明らかにした。特にShh経路の機能解析から、真骨魚系統特異的ゲノム重複により倍化したshh遺伝子の機能分化が、鰭条本数ゆらぎに強く関わっていることを明らかにした。一方、ホウボウ科魚種の胸ヒレ・遊離軟条発生を解析するため、カナガシラ胚・仔魚の取得を行うともに、遺伝情報解析の基盤整備を行った。これまで、人工授精により受精卵と初期孵化仔魚の取得に成功した。また、大規模支援班(基生研・重信先生、小林博士)の協力により、現在各組織のRNAやゲノムのサンプリングを行い、遺伝情報の解析基盤をほぼ作成し終えている。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|