研究領域 | 進化の制約と方向性 ~微生物から多細胞生物までを貫く表現型進化原理の解明~ |
研究課題/領域番号 |
20H04855
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
守野 孔明 筑波大学, 生命環境系, 助教 (20763733)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 発生システム浮動 / 発生拘束 / 系統特異的転写因子 / 軟体動物 / 初期発生 / 遺伝子重複 / らせん卵割型発生 / 進化の方向性 |
研究開始時の研究の概要 |
発生システム浮動 (DSD)は発生進化の源泉となる変異を生み出す。よって、DSDの方向性と制約の理解は、発生進化の方向性と制約の理解へとつながりうる。これまでの研究で、保存された初期発生を示す軟体動物内でも、相同な割球群の運命特異化機構には大規模なDSDが起きていることが分かってきた。本課題では軟体動物腹足類3種を対象に、(1)同種内における転写因子群の発現揺らぎの傾向、(2)各割球系列における割球特異化機構の冗長性の程度を検証する。これにより、発生揺らぎとより長期的な進化の結果であるDSDの傾向に相関があるのか、発生システムの冗長性がDSDと発現揺らぎの傾向に関与するのかを解明する。
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研究実績の概要 |
保存的な発生を示す軟体動物腹足類を中心とした軟体動物の割球特異化機構に着目し、(1) 発生システム浮動の傾向と制約がどのように生み出されるのか、(2)種内に見られる発現のばらつきの傾向とより長期的な進化の傾向に相関があるのか、(3) 発生様式の進化に系統特異的転写因子群がどう寄与しうるのかを解明することを目指した。 (1) 割球特異化システムの冗長性が発生システム浮動の傾向と制約と関連するという仮説を検証するため、引き続きクサイロアオガイにおいて割球特異的に発現する転写因子群を対象にした過剰発現とKD実験を行った。多くの遺伝子のKDでは特表現型が見られなかったが、この結果が冗長性ではなくKDの不完全性に起因する可能性は排除しきれず、手法に改善の余地が残った。過剰発現実験では幼生形態に影響が見られ、各転写因子が実際に割球特異化に機能することが示唆された。 (2) クサイロアオガイ卵割期において、2ペアの父母 (バッチ)から発生させた胚から、1個体ずつのトランスクリプトーム解析を行ない、zygoticに発現する遺伝子群に着目し解析した。現在までには特定割球群で発現する遺伝子の発現ばらつきがそれ以外の遺伝子と明確に異なることを支持するデータは得られていない。一方で、バッチ間で発現が有意に異なる転写因子群を発見しており、実際にバッチ/地域群間で差が大きいかを今後検証する。 (3) SPILE遺伝子群に着目し、軟体動物でのレパートリーと機能の変遷を解析した。結果、軟体動物のSPILE遺伝子群は4つに大別され、1つの遺伝子群が他に比べ重複しやすくかつ発現パターンが変わりやすいこと、二枚貝では重複したSPILEの一部が二枚貝で獲得された割球特異化の早期化に寄与するであろうことを見出した。このことは、系統特異的転写因子の”進化しやすさ”には差があり、その違いが発生進化と関連する可能性を示唆する。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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