研究領域 | 進化の制約と方向性 ~微生物から多細胞生物までを貫く表現型進化原理の解明~ |
研究課題/領域番号 |
20H04868
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 (2021) 大阪大学 (2020) |
研究代表者 |
細田 一史 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 客員研究員 (30515565)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 揺らぎ応答理論 / 実験生態系 / 微生物 / 進化実験 / 摂動実験 / 人工生態系 |
研究開始時の研究の概要 |
生物は内部にも外部にも複雑なネットワークを有する階層構造の中に存在し、生物の進化はこの内部構造による制約と、外部生態系での選択圧の両面に制限される。よって進化の理解には階層をまたぐ必要があり、異なる階層を同じ理論で記述できれば大きく前進する。 本研究では、揺らぎ応答理論が生態系にも適用可能かを実験的に解明する。もし適用可能なら、生物の上下の階層をまたぐ進化の理解が躍進する。また人類の緊急課題である生態系変化の理解と予測も進歩する。 具体的には、12種の微生物による実験生態系を用いて、この揺らぎと、温度変化に対する応答(摂動実験)、および長期継代での変化(進化実験)の関係(揺らぎ応答関係)を解明する。
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研究実績の概要 |
生物の階層において内部構造制約を表現する「揺らぎ応答理論」が生態系レベルにも適用可能なら、生物の上下の階層をまたぐ進化の理解が飛躍的に進歩する。本研究では微生物による実験生態系を用いて生態系の揺らぎ応答関係を解明する。 具体的には下記5項目を行った。(1)安定かつ多様な実験生態系の構築:顕微鏡観察により系を閉じたまま全生物種を識別できるモデル生態系として、12種から開始して、生産者・分解者・消費者を含む3~5種生物が半年間安定に共存する系を構築した。また機器自動化と機械学習により並行して1万個程度の生態系を実験できるハイスループットな系を構築した。(2)温度変化を加える(摂動実験):系への外力として温度変化を与え生態系の状態ゆらぎと比較した。結果、揺らぎ応答理論に従うものとそうでないものが観察された。(3)長期変化の計測(進化実験):半年程度の継代培養を行った。摂動実験同様に、ゆらぎ応答理論に従うものとそうでないものが観測された。(4)揺らぎ応答関係の解析:上記の実験結果を説明できる、生態群集動態の数理モデルを作成し、ゆらぎ応答関係の一般化を行った。(5)生態系内の生物の進化の解析:進化実験での培養から様々な生物種を単離凍結し、祖先株と比較した。大腸菌とシアノバクテリアにおいて、表現型が優位に変化した株が発見された。これは生態系の下の階層の変化であり、今後、階層をまたいだ解析にも使用できる。 中でも最も大きな成果の一つとして、(1)の実験生態系の構築があげられる。特に、生命の階層では、例えば細胞、個体、生態系などがあげられるが、この中でも生態系には他と比較して、再現性がありスループットの高いモデル実験系が無かったため、本成果でこれが構築できたことにより、進化生態学に革命的な影響を及ぼすことが考えられる。期間中には論文報告が間に合わなかったが、今後はこれらの成果を報告していく。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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