研究領域 | 進化の制約と方向性 ~微生物から多細胞生物までを貫く表現型進化原理の解明~ |
研究課題/領域番号 |
20H04876
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
森下 喜弘 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (00404062)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 発生生物学 / 種間比較 / 器官形態形成 / 理論生物 |
研究開始時の研究の概要 |
最近我々は、ニワトリとカエルの四肢発生過程における組織変形動態を定量的に比較することで、適切な座標系の下では両ダイナミクスが共通の細胞フローによって表現可能であることを明らかにした [Morishita et al., 未発表]。本研究では、器官の形態多様性や遺伝子発現パタンの種間比較を行うための適切な座標系を、形態形成プロセスを表す組織変形動態から導入することで、進化を客観的に科学するための一つの基準を与えることを目標にする。また、器官固有の形態形成ダイナミクスの標準形等の概念の深化や分野への浸透にも貢献したい。
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研究実績の概要 |
本研究では、脊椎動物四肢を題材に、特にその形態形成過程の種間比較を軸に相同器官の表現型(形態)の多様性の研究に取り組む。種間形態の差(多様性)は発生プロセスの違いにより生じるため、種間でそのプロセスを測って比較したい。組織変形写像は、プロセスを測る一つの基準となるだろう。我々は、これまでニワトリとツメガエル四肢発生過程において、細胞のリネージトレースデータから写像を復元し、適切な時空座標系(τ-ξ系と呼ぶ)下で観測すると、両者が一致することを明らかにした。これより、種に依らない四肢固有の形態形成ダイナミクスが存在することを仮説として提案した。他方で、発生生物学・進化学では組織内の各場所には遺伝子発現パタンにより決まる「位置価」が与えられ、細胞はそれにより分化等の運命決定を行うとされる。遺伝子発現の時空間パタンをτ-ξ系で観測することで、相同器官間で発現ダイナミクスが保存された遺伝子群と、種固有のダイナミクスを示す遺伝子群とに客観的に分類できるのではないかという着想のもと、研究を進めてきた。
2021年度は、前年度から引き続きアフリカツメガエルとニワトリ後肢発生過程における空間トランスクリプトーム解析を進めた。前年度に問題となった、3’UTR側の配列が登録されていない遺伝子に関しては2種ともに発生したが、その対応方法を概ね確立することができた。トランスクリプトーム解析に先駆けて、四肢発生過程における代表的なパターニング遺伝子群に関してRNAscope解析を行い、τ-ξ系における発現パタンが初期発生過程において保存されていることを確認した。当初の研究計画よりも遅れているが、とるべきデータの大半は揃ったので、本研究終了後も解析を継続し、相同器官間で保存される遺伝子群と種固有の発現パタンを示す遺伝子群を明らかにし、論文にまとめる計画である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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