研究領域 | 植物の生命力を支える多能性幹細胞の基盤原理 |
研究課題/領域番号 |
20H04880
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田中 若奈 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 助教 (10725245)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 花メリステム / 腋芽メリステム / 幹細胞 / TAB1 遺伝子 / 胚珠 / イネ / 腋生幹細胞 / 植物発生 / TAB1 / FON |
研究開始時の研究の概要 |
ブランチや花を含む多くの器官は、植物のライフサイクルに応じて確立される腋芽メリステムに存在する幹細胞(腋芽幹細胞)に由来するため、植物の発生を理解する上で、腋芽幹細胞の新生と維持の制御機構を理解することは非常に重要である。しかし、腋芽メリステム確立時の幹細胞に着目した研究はほとんど行われていない。 本研究では、植物発生における幹細胞制御の総合的な理解を目的として、腋芽メリステム確立時の幹細胞の恒常性維持を担う分子基盤の解明を目指す。以前同定した腋芽幹細胞維持に必須の FON2-TAB1 経路に関連する因子に着目することや、花形成時の幹細胞維持に関わる可能性の高い因子に着目して、研究を実施する。
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研究実績の概要 |
シロイヌナズナの WUSCHEL に最も近縁なイネの TILLERS ABSENT1 (TAB1) 遺伝子に着目して研究を行い、TAB1 が腋芽形成過程の幹細胞維持に必須の働きをしていることを以前示した(Tanaka et al., 2015; Tanaka and Hirano, 2020)。tab1 変異体は、腋芽形成に加えて花にも多面的な異常を示すため、今年度は、その花の表現型に着目し、TAB1 の機能解明を目指した。 tab1 は完全不稔を示したので、その原因を詳しく調べた結果、胚珠が全く形成されていないことがわかった。イネの胚珠は、心皮分化後の花メリステムから直接分化することが知られているため(Yamaki et al., 2011)、tab1 では、この時期の幹細胞の活性が低下している可能性が推測された。詳しい解析により、tab1 では、花の発生初期には幹細胞は野生型同様に維持されているものの、心皮分化後には幹細胞が消失していることが判明した。したがって、TAB1 は、心皮分化後の花メリステムにおいて、幹細胞運命の促進因子として働いていると考えられる。さらに、tab1 と花幹細胞が過剰となる fon2 との二重変異体の解析から、TAB1 は花幹細胞を維持することによって、胚珠分化を促進していることが示唆された。以上の成果を Development 誌に発表した。 イネの D-type cyclin (CYCD) のメンバーである OsCYCD3;1 遺伝子に着目して研究を実施した結果、OsCYCD3;1 は、栄養成長期の腋芽メリステム(幹細胞)の活性制御に重要な働きをしていることが明らかになり、本成果を Journal of Plant Physiology 誌に発表した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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