研究領域 | 植物の生命力を支える多能性幹細胞の基盤原理 |
研究課題/領域番号 |
20H04892
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 基礎生物学研究所 |
研究代表者 |
石川 雅樹 基礎生物学研究所, 生物進化研究部門, 助教 (00586894)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | ヒメツリガネゴケ / 転写因子 / ヒストン修飾 / DNA損傷 / 幹細胞 / リプログラミング / DNA修復 / オーキシン / DNA損傷・修復 |
研究開始時の研究の概要 |
陸上植物は、傷害刺激に応答して分化細胞から幹細胞を新生させ、新しい器官や個体を再生させることがある。しかしながら、どのようにして傷害刺激が分化状態を維持しているクロマチン修飾を変化させ幹細胞を新生させるのか、その分子機構は謎である。ヒメツリガネゴケのSTEMIN1転写因子は、傷害刺激に応答して発現するだけでなく、人為的に発現させるだけで葉細胞を幹細胞へと変化させる。本研究では、傷害刺激によるSTEMIN1遺伝子の発現制御、および、STEMIN1によるクロマチン修飾変化を引き起こす分子機構を明らかにすることで、傷害誘導性の幹細胞新生におけるクロマチン修飾変化を作動させる分子基盤の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
ヒメツリガネゴケのSTEMIN1転写因子は傷害刺激に応答して発現し、葉細胞を幹細胞化させる。本研究では傷害によるSTEMIN1遺伝子発現制御機構、およびSTEMIN1によるクロマチン修飾変化を作動させる分子機構を明らかにするため、本年度では以下の研究を行なった。 (1)DNA塩基除去修復に関わるXRCC1遺伝子を欠失させると、STEMIN1発現誘導による幹細胞化が有意に遅れる。そこでDNA修復とクロマチン修飾の関係を調べるため、XRCC1遺伝子を欠失させたSTEMIN1発現誘導株を使ったChIP-seqおよびRNA-seq解析を計画した。その予備実験として、STEMIN1標的遺伝子の一つCYCD遺伝子のH3K27me3修飾レベルとその遺伝子発現レベルの変化ついて調べたところ、想定に反して、野生型にSTEMIN1を発現誘導したときの転写抑制に機能するヒストンH3(H3K27me3)修飾レベル、遺伝子発現レベルの変化に違いがなかった。そこで、STEMIN1による幹細胞化の機能解析に焦点をあてるため、(3)の実験に集中した。 (2)改良したR2D2オーキシンセンサーラインを用いて、ヒメツリガネゴケの切断葉のオーキシンレベル変化を調べたところ、幹細胞化する細胞でオーキシンレベルが一過的に減少し、原糸体細胞になると、そのレベルが回復することが分かった。 (3)STEMIN1転写因子は、直接の標的遺伝子上にあるH3K27me3修飾を細胞分裂前に減少させ、これらの遺伝子発現を誘導し、分化細胞から幹細胞へと変化させる。そこで、STEMIN1と結合する因子を近位ビオチン化ラベル法を用いて探索したところ、複数のヒストン修飾変化を制御する因子の同定に成功した。今後、これらの因子とSTEMIN1の関係を明らかにすることで、幹細胞化におけるH3K27me3修飾変化の分子機構解明に繋がることが期待される。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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