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転写装置の性差形成機構の解明

公募研究

研究領域性スペクトラム - 連続する表現型としての雌雄
研究課題/領域番号 20H04929
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

秋山 智彦  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (20570691)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 交付 (2021年度)
配分額 *注記
10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
キーワード多能性幹細胞 / 分化制御 / 転写制御 / エンハンサー制御 / 性差 / 転写マシナリー / エピジェネティクス
研究開始時の研究の概要

雌雄の個体を構成するすべての細胞は「遺伝的な性」を持っており、性ホルモンの影響を受けずとも、遺伝子発現パターンの性差を生み出す。雄特有のY染色体には、精巣のみならず、あらゆる組織・器官に恒常的に発現する遺伝子がコードされており、それらの多くは機能未知だが、蛋白質ドメインから推定すると転写制御に直接関わることが示唆される。しかしながら、転写制御におけるY染色体遺伝子の役割、ひいては体細胞における機能については殆んど分かっていない。本研究では、Y染色体により制御されるエピジェネティックな遺伝子発現調節機構に焦点を当て、体細胞が持つ「性」の再定義を行う。

研究実績の概要

雄特有のY染色体には、精巣のみならず、あらゆる組織・器官に恒常的に発現する遺伝子がコードされている。それらの遺伝子の多くは機能未知であるが、蛋白質ドメイン構造から推定すると転写制御に直接関わることが示唆されている。しかしながら、転写制御におけるY染色体遺伝子の役割、ひいては体細胞における機能については殆んど分かっていない。本研究では、Y染色体により制御されるエピジェネティックな遺伝子発現調節機構に焦点を当て、体細胞が持つ「性」の再定義を行う。XY染色体には転写制御に関わる性差候補因子がパラログとして存在する。本研究では、UTXおよびUTYの転写装置としての役割を明らかにするために、CRIPSR-Cas9によるノックアウトを行った。ES細胞および分化細胞におけるUTX,UTYの発現を時期特異的に制御することができる実験系の確立を行うために、CRISPRにより内在性タンパク質の発現をノックアウトすると同時に、外来性UTX/UTYのTet-on発現制御ベクターを導入することにより、UTXおよびUTYの発現を自在にコントロールする細胞株を樹立した。RNA-seq法を用いたトランスクリプトーム解析によりUTXおよびUTYはES細胞の自己複製能および分化能を制御する遺伝子発現に関与することが明らかとなった。これらの遺伝子は、UTXとUTYの局在する領域の近傍に位置する遺伝子であり、エンハンサー構造を介した制御が考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画した遺伝子改変実験が順調に進み目的の細胞が作成できたため

今後の研究の推進方策

UTXとUTYのアミノ酸配列を比較すると大きく配列が異なる部位は、酵素活性部位であるJmjCドメインではなく、これまで機能が分かっていない部分に集中している。UTXとUTYにはゲノムへの局在を決めるドメインは存在しないため、それぞれの局在を促す因子もしくは足場となる因子の存在が疑われる。本研究では、これらの因子を同定するために、ES細胞および分化細胞からUTXおよびUTYの複合体を精製し解析を行う。

報告書

(1件)
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件)

  • [雑誌論文] Synthetic mRNA‐based differentiation method enables early detection of Parkinson's phenotypes in neurons derived from Gaucher disease‐induced pluripotent stem cells2020

    • 著者名/発表者名
      Akiyama Tomohiko(責任著者)、Sato Saeko、Ko Shigeru B. H.、Sano Osamu、Sato Sho、Saito Masayo、Nagai Hiroaki、Ko Minoru S. H.、Iwata Hidehisa
    • 雑誌名

      STEM CELLS Translational Medicine

      巻: 10 号: 4 ページ: 572-581

    • DOI

      10.1002/sctm.20-0302

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Fatty Acid Synthesis Is Indispensable for Survival of Human Pluripotent Stem Cells2020

    • 著者名/発表者名
      Sho Tanosaki, Shugo Tohyama, Jun Fujita, Hiroki Nakanishi, Takayo Ohto-Nakanishi, Tomohiko Akiyama, Yuika Morita, Yoshikazu Kishino, Marina Okada, Hidenori Tani, Yusuke Soma, Kazuaki Nakajima, Hideaki Kanazawa, Masahiro Sugimoto, Minoru S.H. Ko, Makoto Suematsu, Keiichi Fukuda
    • 雑誌名

      iScience

      巻: 23 号: 9 ページ: 101535-101535

    • DOI

      10.1016/j.isci.2020.101535

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Generation and Profiling of 2,135 Human ESC Lines for the Systematic Analyses of Cell States Perturbed by Inducing Single Transcription Factors2020

    • 著者名/発表者名
      Nakatake Y、Ko S B.H.、Sharov A A.、Wakabayashi S、Murakami M、Sakota M、Chikazawa N、Ookura C、Sato S、Ito N、Ishikawa-Hirayama M、Mak Siu S、Jakt Lars M、Ueno T、Hiratsuka K、Matsushita M、Goparaju S K、Akiyama T、Ishiguro K、Oda M、Gouda N、Umezawa A、Akutsu H、Nishimura K、Matoba R、Ohara O、Ko M S.H.
    • 雑誌名

      Cell Reports

      巻: 31 号: 7 ページ: 107655-107655

    • DOI

      10.1016/j.celrep.2020.107655

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2023-12-25  

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