研究領域 | 性スペクトラム - 連続する表現型としての雌雄 |
研究課題/領域番号 |
20H04932
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
菊水 健史 麻布大学, 獣医学部, 教授 (90302596)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | マウス / テストステロン / 超音波発声 / 社会的順位 / 神経操作 / スペクトラム / 集団 / 超音波 / 性スペクトラム / LMT / 性的ゆらぎ / 超音波音声 / 社会経験 |
研究開始時の研究の概要 |
性の戦略は決して2極化だけが優位に働くわけではない。オスらしさを隠蔽し、オス同士の激しい競争から逃れつつ、繁殖の機会を狙うという戦略が魚類や鳥類で認められており、オスの多様な表現型、すなわち性スペクトルとして知られてきた。研究代表者はオスマウスがメスに向けて発する超音波音声(ultrasonic vocalizations, USVs)には発声頻度や構造に幅広い多様性が存在し、オスの性スペクトラム表現型であることを見出した。今回、このような性スペクトラムが獲得される際の社会経験の影響ならびにその獲得過程におけるテストステロンの役割を明らかにする。
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研究実績の概要 |
我々は以前、オスマウスの超音波発声(USV)発声がテストステロンの組織的効果に依存し、スペクトラム型であることを報告した。具体的にはプロピオン酸テストステロン(TP)を投与したオスとメスでは、対照のオスとメスに比べて、USVの頻度が高くなった。USVを9つのタイプに分類した場合も、雄雌で際立った差はなかったが、TPは高周波数のUSVを増加させ、低周波数で短時間のUSVを減少させた。また、USVの種類別の遷移解析では、TP処理したオスとメスは、それぞれ通常のオス、メスと同様の遷移パターンを示した。このことは、USVのスペクトラムには、テストステロン非依存的な性差があることを示唆した。 次にマウスの集団生活場面におけるUSVの変化とテストステロンの変化を解析した。社会的な順位形成後には、1)ランクが上がるとシラブルの曲点の数が低下、2)ランクの変動と体重、テストステロンの変動、USVの発声回数の変動は相関なし、3)テストステロンが上昇すると周波数変動が上昇、4)テストステロンが上昇すると、周波数直線性が上昇の結果が得られた。このことからこれまでの仮説を異なり、ランクとUSV、テストステロンとUSVの関係はそれぞれ認められるが連動しないことが示された。これはUSVの構造内にはテストステロン依存性成分と、ランク依存性成分が混在していることを意味する。 最後に、集団で生活する際、順位を人為的に操作し、USVの特徴量の変化を調べた。視床下部のVMHにDreaddsを導入することで、順位をかき乱すことに成功した。また、ランクの変動に伴うテストステロンの変動は認められず、テストステロンはある程度、一貫した値を保つことが示された。社会ランクとテストステロン、USVのスペクトラムに関しては一部関連するものの、直接的な関与が否定された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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