公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
慢性炎症は生活習慣病と癌に共通する基盤病態である。マクロファージは炎症の開始から、慢性化、組織リモデリングによる臓器機能障害まで、全てのプロセスに寄与する。また、様々な組織で、その正常機能や恒常性も維持している。このようなマクロファージの多彩な機能は、そのダイナミックな変化によってもたらされるものと考えられる。本研究では、心臓の恒常性と病態を制御するマクロファージの多様性とその役割について、1細胞レベルでの遺伝子発現解析を中心とする新しいテクノロジーによって明らかにすることを目的とする。
慢性炎症は生活習慣病と癌に共通する基盤病態である。マクロファージは炎症の開始から、慢性化、組織リモデリングによる臓器機能障害まで、全てのプロセスに寄与する。申請者は、心臓の組織常在マクロファージが恒常性維持に必須であることも見いだした。マクロファージの機能多様性は細胞社会の中で様々な情報を受け取り、ダイナミックに応答することによって発揮されると考えられる。本計画では、単一細胞応答の解析から、細胞間相互作用ネットワークのダイナミクスの理解へと研究を展開し、マクロファージや線維芽細胞が、細胞社会の中で相互作用してストレスに応答する機序の解明をめざす。れにより炎症細胞社会が、どのように未病状態(加齢やストレス初期)から慢性炎症による組織リモデリングまでの生物プロセスを実行するかを理解することを目的とした。マウス心臓への圧負荷や心筋梗塞におけるマクロファージや線維芽細胞等の変化をシングルセルRNA-seqによって解析し、サブポピュレーションを新たに同定した。さらに受容体・リガンドペアによる相互作用の変化を解析した。これにより、新たなマクロファージと線維芽細胞サブポピュレーションの相互作用と、相互作用を仲介するメディエータ、またこのコミュニケーションの心臓恒常性における意義を明らかにした。また、単球から心臓組織マクロファージへの分化経路を明らかにした。マウスデータセットとヒトシングルセルRNA-seqのデータセットを比較し、ヒト心臓においても重要な相互作用因子の同定を進めた。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2022 2021 2020 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 6件、 招待講演 17件) 備考 (2件)
International Immunology
巻: 34 号: 2 ページ: 81-95
10.1093/intimm/dxab036
Nat Commun.
巻: 12(1) 号: 1 ページ: 1910-1910
10.1038/s41467-021-22178-0
Proc Natl Acad Sci U S A.
巻: 118 号: 35
10.1073/pnas.2102895118
Proceedings of the National Academy of Sciences
巻: 117 号: 25 ページ: 14365-14375
10.1073/pnas.2005924117
Frontiers in Cardiovascluar Medicine
巻: - ページ: 64-64
10.3389/fcvm.2020.00064
http://plaza.umin.ac.jp/manabe