研究領域 | 予防を科学する炎症細胞社会学 |
研究課題/領域番号 |
20H04948
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
山下 政克 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (00311605)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | Bach2 / 肺胞蛋白症 / 肺胞マクロファージ / 喘息 / COPD / アレルギー / Th2 / Treg / Gfi1 / 代謝 / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究申請では、喘息-慢性閉塞性肺疾患オーバーラップ症候群(ACOS)とIL-33受容体陽性 (IL-33R+) Th2細胞の関係をモデルとし、アレルギー性炎症慢性化を引き起こす炎症細胞社会形成のメカニズムを代謝とエピゲノムのクロストークの側面から解明することを目指す。 具体的には、Bach2 に着目して、喘息-慢性閉塞性肺疾患オーバーラップ症候群(ACOS)発症を引き起こす炎症細胞社会形成の分子メカニズムを代謝とエピゲノムのクロストークの側面から明らかにするとともに、低分子化合物を用いた制御法を提唱することを目的に研究を行う。
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研究実績の概要 |
研究代表者らは、転写制御因子Bach2のT細胞特異的欠損(KO)マウスでは、喘息-COPDオーバーラップシンドローム(ACOS)様の病態が自然発症することを報告している。一方で、T細胞特異的Bach2トランスジェニック(TG)マウスでは、肺胞蛋白症様の病態が自然発症し、生後20週前後でほぼ全てのTGマウスが死亡することを見出した。肺に存在する血球細胞について解析したところ、発症初期のBach2 TGマウスでは、T細胞、特に制御性T細胞の著しい増加が認められた。一方で、死亡直前のBach2 TGマウスでは、エフェクターT細胞の増大が認められた。そこで昨年度、支援班に相談し、生後15週前後の野生型、T細胞特異的Bach2 TGマウスの肺に存在する血球系細胞のシングルセルRNAシーケンス解析を実施した。その結果、T細胞特異的Bach2 TGマウスの肺では、CD11c high/Siglec-F intの表現系を持つ肺胞マクロファージ(AM)様の細胞が著しく増加していることが分かった。生後15週の野生型マウスにおいては、CD11c high/Siglec-F highの正常なAMのみが認められた。このAM様細胞は、MHCクラスIおよびクラスII発現が、通常のAMに比べ上昇していた。遺伝子発現解析の結果、T細胞特異的Bach2 TG肺のAM様細胞は、通常のAMとは異なり、MafBやC1qなどの炎症性因子が特徴的に発現していることが分かった。このAM様細胞の増加は、肺胞蛋白症発症前に認められたことから、T細胞特異的Bach2 TGマウス肺におけるT細胞増殖に関与している可能性が考えられた。今後は、このAM様細胞の肺T細胞増殖における役割などの機能、T細胞特異的Bach2 TGの肺T細胞が産生するどのような因子がこのAM様細胞の遊走・分化に関与しているのかについて、解析を進める。このデータと、ChIP-シーケンスによりヒストン修飾の変化を解析することで、T細胞Bach2による肺炎症細胞社会のエピゲノム-代謝制御の分子機構について明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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