公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究では、(1)東南極氷床ドローニングモードランド地域の昭和基地からドームふじ基地に至る輸送ルート上に設置している、雪尺網・雪尺列サイトで観測した雪面高さ変化のデータを用いた、雪尺法による表面質量収支観測の誤差の評価、(2)無人航空機を用いた、雪尺網・雪尺列サイトにおける高精度数値標高モデルの作成と雪面起伏の空間変動解析、(3)衛星高度計データを用いた雪面起伏の空間変動解析の3点を行う。(1)から(3)を統合して解析することで、雪尺法による表面質量収支観測の誤差の検証、及び衛星観測による氷床質量変動解析を検証するための雪面堆積環境情報を確立・提示する。
南極氷床上S16観測拠点からドームふじ基地に至る内陸ルート上にある雪尺網・雪尺列サイトにおいて、1990年以降に観測された雪尺データの解析を行い、過去30年に及ぶ表面質量収支の時空間変動を明らかにした。具体的には、沿岸部と内陸部に位置する36本雪尺網5点、50本雪尺列1点において、各雪尺、及びサイト全体の表面質量収支の時系列変化と全期間の平均値を算出した。また、雪尺網・雪尺列サイトにおける表面質量収支の空間的ばらつきを標準偏差から見積り、これに雪尺測定の際に生じる観測誤差を合わせて、雪尺観測における表面質量収支の不確実性を定量的に評価した。その結果、比較的密集して埋設された雪尺サイトにおいても、雪の積もり方に空間的な傾向は見られず、また風向との明確な関係も見られなかった。例えば年間の涵養量が約27mmのドームふじ基地では、36本の雪尺間で常に最大約30mm程度の涵養量の差が観測された。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
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