研究領域 | 熱ー水ー物質の巨大リザーバ:全球環境変動を駆動する南大洋・南極氷床 |
研究課題/領域番号 |
20H04985
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
塩崎 拓平 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (90569849)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 硝化 / アンモニア酸化 / 古細菌 / 南極海 / 窒素循環 / 光環境 / 低次生態系 / 氷床融解 |
研究開始時の研究の概要 |
硝化はアンモニアが硝酸へと微生物を介して変換されるプロセスであり、海洋の無機窒素の存在比に影響を及ぼす。無機窒素はその形態によって植物プランクトンが利用する際のエネルギーが異なる。そのため、無機窒素の相対量の変化は低次生態系に直接的に影響を及ぼす。近年北極海で実施した研究によって、海氷融解で海中光量が増加することで、硝化が抑圧され、結果アンモニウム塩濃度が増加することを示した。同様の現象は氷床融解の進む南極海でも進行しているもしくは今後起こりうる可能性が高く、それによって生態系が激変する可能性がある。本研究では南極海における窒素循環の変動が低次生態系に及ぼす影響を評価することを目的とする。
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研究実績の概要 |
硝化はアンモニアから亜硝酸、亜硝酸から硝酸に変換されるプロセスであり、窒素固定による窒素供給と脱窒による排出のちょうど間に位置する窒素循環の中心的な役割を果たしている。本研究では南極海における硝化速度の分布とその要因を明らかにすることを目的としている。 昨年度は硝化速度の分布について調査した。その結果、すべての観測点で表面で低く、深くなるにつれて高くなる傾向があること、沿岸域のほうが外洋域に比べて極大値が低くなることを明らかにした。本年度は速度測定と同じ海水から採取されたDNAサンプルを用いて、16SrRNAをターゲットしたアンプリコンシーケンスを実施した。また同じDNAサンプルに対し、海洋の主要なアンモニア酸化生物であるβAOB, shallow-clade AOA, deep-clade AOAのamoA遺伝子をターゲットに定量PCRを実施した。 アンプリコンシーケンスの結果、硝化生物の全原核生物中の割合は沿岸域で0.02-0.88%、外洋域で0.06-0.86%の範囲で変動しており、有意な差はみられなかった。定量PCRの結果、すべての測点、すべての深度でshallow-clade AOAが主要になることが示された。この3グループのアンモニア酸化生物の現存量はすべて硝化速度と同じく表面で低く、深くなるにつれ高くなる傾向が見られた。硝化速度とshallow-clade AOAの現存量との間には有意な正の相関が見られた。これらの結果は観測された硝化速度は主にshallow-clade AOAによって担われていたことを示唆する。Shallow-clade AOAの極大値は沿岸域が外洋域に比べて低くなる傾向があった。そのため、沿岸域で硝化速度が低かったのはshallow-clade AOAの現存量が低かったことが要因と考えられた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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