公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究では、文の類型の認知言語学分析と、文の認知的基盤を探るコミュニケーション実験によって、文創発のメカニズムを明らかにし、進化言語学の中に位置付けて理論化することを目指す。まず、認知言語学的分析により、文特有の意味を作り出す条件を追求する。具体的には、語と文の中間形態を想定する。次に、人工言語を用いたコミュニケーション実験を通じて、どのような条件でその中間形態が作りだされるのかを探る。認知言語学における構成論的アプローチのモデルケースを示し、認知言語学者が広くこの方法で言語進化研究を発展させてゆくことを可能にするための基盤づくりを目指す。
本研究では、文の類型の認知言語学分析と、文の認知的基盤を探るコミュニケーション実験によって、文創発のメカニズムを明らかにし、進化言語学の中に位置付けて理論化することを目指す。自然言語の文の特徴として、客観的叙述と主観的判断が重なり合う部分があることについて、前研究期間で注目し、進化言語学の文脈で、認知類型論的に探った。本研究期間中はこの点をより学際的に、コミュニケーション実験と接続するような形で展開することを目指した。自然言語と人工言語を対比する中で、人間が言語の慣用的規則に従わず、創造性を発揮する場合について研究対象とした。その場合に、言語の「生命性」と呼ぶことのできる自律的側面も拡大するという議論を検討した。その成果は、学会発表や論文の形で公表した。また、本学術領域の中で、共同研究を行った。言語の慣習的規則がどのようにして形作られていくのか、について硬さを表す音象徴の言語学的研究、言語学と言語発達の共同研究、で明らかにした。この成果については複数の学会発表や著書にまとめた。文の認知的基盤の研究では規則からの逸脱について着目してきたが、音象徴の研究ではその規則が出来上がっていく様子を分析することで、更に逸脱についての理解が深まり、言語の共創的進化の研究としての認知文法研究という新規な取り組みの第一段階を終えることができた。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件) 図書 (2件)
Papers form the 22nd National Conference of the Japanese Cognitive Lingusitic Association
巻: 22 ページ: 410-413
認知科学
巻: 28 号: 2 ページ: 242-248
10.11225/cs.2021.014
130008052497
Review of Cognitive Linguistics
巻: 18 号: 2 ページ: 428-457
10.1075/rcl.00066.uno