研究領域 | 共創的コミュニケーションのための言語進化学 |
研究課題/領域番号 |
20H04997
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
上川内 あづさ 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (00525264)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | キイロショウジョウバエ / 歌識別学習 / カルシウム依存性アデニル酸シクラーゼ / 歌識別機構 / 聴覚 / ショウジョウバエ / アデニル酸シクラーゼ / 歌識別 / 記憶 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトは生育時の言語環境により、特定の言語に特有な音の識別能力を発達させる。この識別能力は、生得的な能力を基盤として、周囲の会話を聞くなどの生育時の聴覚経験により発達する。このような、聴覚経験に依存した音識別能力の発達基盤として、記憶・学習機構の介在が考えられるが、その分子神経機構は未解明である。そこで本研究計画では、「豊富な分子遺伝学ツール」「同定された操作可能な聴覚神経回路」という実験上の優位性を持つショウジョウバエを新たな解析モデルと捉えて、記憶の制御分子がどのようにして歌識別学習を成立させるかを解明する。
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研究実績の概要 |
本研究では、多くの動物が示す歌識別学習のメカニズムを理解するため、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)をモデルとした解析を進めた。キイロショウジョウバエの歌識別学習とは、幼少期(羽化直後の若い成虫)に「種に固有な求愛歌」を聞いた経験を持つことにより、成熟後の歌識別の精度が劇的に向上する、という現象である。この歌識別学習を成立させる分子機構に迫るため、哺乳類から昆虫までで広く保存されている記憶分子であるカルシウム依存性アデニル酸シクラーゼ(AC)に着目し、ニューロンの種類ごとにその発現を抑制することを試みた。
前年度までの解析により、アセチルコリン作動性、グルタミン酸作動性、GABA作動性の3種類のニューロン集団のうち、ニューロン数が比較的少ないグルタミン酸作動性ニューロンとGABA作動性ニューロンでそれぞれ、RNAi法によりAC遺伝子の発現を抑制することで、歌識別学習が変化する傾向を確認している。当該年度はこの解析をさらに進めた。その結果、グルタミン酸作動性ニューロンとGABA作動性ニューロンでの、発現抑制した際の学習表現型を確認した。さらにこの2種類のニューロンでのAC遺伝子の発現を抑制では、異なるタイプの学習変化が検出されることを見出した。このことは、異なる神経伝達物質を放出する複数のニューロンが、多層的にキイロショウジョウバエの歌識別学習を制御している可能性を示している。
以上の解析により、歌識別学習を成立させる分子機構の一端が解明された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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