• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

鳥類の音声コミュニケーションにおける階層的な情報の併合

公募研究

研究領域共創的コミュニケーションのための言語進化学
研究課題/領域番号 20H05001
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

配分区分補助金
審査区分 複合領域
研究機関京都大学

研究代表者

鈴木 俊貴  京都大学, 白眉センター, 特定助教 (80723626)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード言語 / 鳥類 / 併合 / Merge / コミュニケーション / 音声コミュニケーション / 言語進化 / 階層性 / 統語
研究開始時の研究の概要

従来,単語を組み合わせる能力(統語)はヒトの言語と動物のコミュニケーションを大きく隔てる特徴であると考えられてきた。それに対して,近年,数種の鳥類と霊長類においても統語を示唆する結果が得られており,比較研究が加速している。しかし,これまでの動物研究はすべて2種類の鳴き声の組み合わせを扱うに過ぎず,3語以上の階層的な併合(Merge)が動物においても確認できるのかは未解である。そこで,本研究では,鳥類における3種類の音声の組み合わせに着目し,階層的な情報の併合がみられるのかを明らかにする。

研究実績の概要

本年度は、ヒト以外の動物においてMerge(併合)の存在を実証するための新規パラダイムを提案し、実証研究を通してその研究方策を確立することを目的とした。
Mergeとは2つの異なる意味をもつ語(単語)を組み合わせ、新しいユニットを作る言語操作である(2つの単語の併合をcore-Merge、3つ以上の併合をrecursive-Mergeと呼ぶ場合もある)。
申請者は鳥類の一種・シジュウカラが捕食者を追い払うために仲間を呼び集める際に、「警戒」と「集合」を意味する異なる鳴き声を組み合わせる現象を発見している(Suzuki et al. 2016 Nat Comm、Suzuki et al. 2017 Curr Biol)。しかし、その音列を受信者(同種他個体)が(1)単に時間的に連続した2音として認識しているのか、(2)2つの音声がMergeした新しいユニットと認識しているのか明らかでなかった。そこで、申請者は、2音を1つの音源から聞かせる場合(時間的・空間的に2音が連続)と、2つの音源から聞かせる場合(時間的には2音が連続、空間的には分離)とで、受信者の反応が変化するか実験的に検証した。その結果、シジュウカラは同じタイミングで連続する2音を聞いても、それらが同じ音源(1羽の同種個体を想定)から発された時にしか捕食者の追い払い行動を示さないことが明らかになった。
これらの結果は、シジュウカラが2音の組み合わせをMergeした1つのユニットとして認知していることを示している。本研究は、ヒト以外の動物においてMergeの有無を検証するための新しい実験パラダイムを提唱するだけでなく、言語の中核的下位機能であるMergeを鳥類において見出した学際的成果といえるだろう。
現在、申請者は3音の組み合わせについても同様の実験で検証を行っている。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて 2022 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 備考 (4件)

  • [雑誌論文] Animal linguistics: Exploring referentiality and compositionality in bird calls2021

    • 著者名/発表者名
      Suzuki Toshitaka N.
    • 雑誌名

      Ecological Research

      巻: 36 号: 2 ページ: 221-231

    • DOI

      10.1111/1440-1703.12200

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書 2020 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Other species’ alarm calls evoke a predator-specific search image in birds2020

    • 著者名/発表者名
      Suzuki Toshitaka N.
    • 雑誌名

      Current Biology

      巻: 30 号: 13 ページ: 2616-2620.e2

    • DOI

      10.1016/j.cub.2020.04.062

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 鳥類における他言語理解:ヒガラはシジュウカラの警戒声からヘビの姿を想起する2022

    • 著者名/発表者名
      鈴木俊貴
    • 学会等名
      第69回 日本生態学会大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 群れることの新たな利益?他種の警戒声に対するスズメの反応2022

    • 著者名/発表者名
      惣田彩可・鈴木俊貴
    • 学会等名
      第69回 日本生態学会大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] ヒガラはシジュウカラの警戒声からヘビの姿 をイメージできる2021

    • 著者名/発表者名
      鈴木俊貴
    • 学会等名
      日本鳥学会2021年度大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] シジュウカラ語を聞き分けてタカから逃げる スズメ2021

    • 著者名/発表者名
      惣田彩可・鈴木俊貴
    • 学会等名
      日本鳥学会2021年度大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 音声信号の「意味」を検証する新規実験パラダイム2021

    • 著者名/発表者名
      鈴木俊貴
    • 学会等名
      日本動物行動学会 第40回大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] スズメはシジュウカラ語を盗聴してタカから逃げる2021

    • 著者名/発表者名
      惣田彩可・鈴木俊貴
    • 学会等名
      日本動物行動学会 第40回大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [備考] 小鳥の鳴き声は言語だった 文法まで突き止めた日本人研究者

    • URL

      https://digital.asahi.com/articles/ASP9F3T1HP8VUPQJ00K.html

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [備考] 小鳥の鳴き声は言語だった 文法まで突き止めた日本人研究者

    • URL

      https://gendai.ismedia.jp/articles/-/90014

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [備考] Do Birds Have Language?

    • URL

      https://www.smithsonianmag.com/science-nature/do-birds-have-language-180979629/

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [備考] 京都大学白眉センター 研究者紹介 鈴木俊貴

    • URL

      https://www.hakubi.kyoto-u.ac.jp/mem/9/member-5-30

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書

URL: 

公開日: 2020-04-28   更新日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi