研究領域 | 細胞社会ダイバーシティーの統合的解明と制御 |
研究課題/領域番号 |
20H05036
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
笹井 紀明 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (80391960)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 網膜オルガノイド / CRISPR/Cas9 / 網膜色素変性症 / 網羅的発現解析 / オルガノイド / 網膜 / Prominin-1 / 光受容細胞 / マウス幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
脊椎動物の視神経系の一部である網膜には、光受容細胞をはじめとする多種多様な神経細胞、グリア細胞が存在し、それらが相互作用しながら全体として視覚機能を担っている。網膜に作用する光刺激は体内に視覚情報を与えると同時にストレスでもある。本研究は、遺伝子変異ES細胞から試験管内で分化させた光受容細胞を利用し、光刺激に対する1次的反応(細胞や遺伝子)を特定することにより、光刺激に対する細胞の感受性や、器官が頑強性を保ち続けるメカニズムを明らかにしようというものである。
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研究実績の概要 |
網膜色素変性症を引き起こす初期段階において発現する遺伝子を捕捉するために、網膜色素変性症の一原因遺伝子であるProminin-1(Prom1)変異マウスを用いた解析を行った。Prom1遺伝子変異の若齢マウスと野生型マウスを用いて網羅的遺伝子発現解析を行い、エンドセリン遺伝子を含む多数のシグナル遺伝子が異常惹起することを明らかにした。また、このシグナル因子は網膜内の視細胞に発現し、視細胞から網膜全体に浸潤して周辺部の細胞に影響を与えることを明らかにした。特に、グリア細胞はGFAP遺伝子を発現することによって異常活性化されるほか、血管内皮細胞はエンドセリンによって収縮し、網膜内細胞に栄養などを供給できない状態に陥ることが観察された。さらに、エンドセリン阻害剤であるBQ123/BQ788を投与することにより、このエンドセリンシグナルを遮断することができ、その結果グリア細胞の以上活性化、血管内皮の収縮を緩和できることが明らかになった。 これと並行し、網膜の発生に必要な遺伝子であるRx転写因子にも着目した。Rx変異マウス幹細胞を作成し、これを分化させて網膜オルガノイドを作成したところ、Rx変異細胞は網膜遺伝子の発現が抑制され、網膜の周辺である大脳に分化する遺伝子が多数発現する表現型が観察される結果となった。この結果は、Rx遺伝子が大脳細胞から視神経系細胞に分岐する過程で必要な遺伝子であることを明らかにした点で重要である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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