研究領域 | 脳情報動態を規定する多領野連関と並列処理 |
研究課題/領域番号 |
20H05075
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 沖縄科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
杉山 陽子 (矢崎陽子) 沖縄科学技術大学院大学, 臨界期の神経メカニズム研究ユニット, 准教授 (00317512)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 歌学習 / 青斑核 / 注意 / 音声コミュニケーション / 聴覚 / 学習 / 可塑性 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトの言語発達と同様、ソングバードの一種であるキンカチョウは生後に聴く親の歌を模倣し歌を学習する。ヒトもキンカチョウも親とのコミュニケーション介して聴く声を学習するが、この声をスピーカーから聴いても学習しない。これはヒトの赤ちゃんやキンカチョウヒナが聴く音声は社会的コミュニケーションの中で聴く時と、受動的に聞いている時では、その脳内の音声情報動態が異なり、コミュニケーションを介して聴く声のみ認知、学習されるため、と考えられる。本研究ではキンカチョウの歌学習をモデルとして用い、社会的コミュニケーションが聴覚情報動態を制御し、特定の情報のみを認知・学習する、その神経メカニズムを明らかにする
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研究実績の概要 |
歌を学習するトリ、ソングバードの一種であるキンカチョウは発達期に聴く成鳥の歌を覚え、これを模倣することで歌を学習する。この時、キンカチョウのヒナは、スピーカーから流れる受動的に聴く歌は学習せず、親との社会的相互作用のなかで聴く歌を積極的に学習する。本研究ではこのキンカチョウの歌学習をモデルとして用い、社会的相互作用により学習が強化される神経メカニズムを明らかにすることを目的とした。 これまでの研究から、親鳥との社会的音声コミュニケーションにより初期遺伝子の発現が上がると報告のある青斑核、また青斑核から投射を受け、研究代表者の研究室ではこれまでの研究で明らかにした、親鳥の歌の記憶が形成される高次聴覚野から神経活動を記録し、親鳥との音声コミュニケーションによる影響を明らかにした。どちらの領域でも受動的に聴く親の歌に対し、直接親鳥の歌を聴いた時の方がより強い聴覚応答を示し、また親鳥の鳴く歌を聴くことで、聴覚応答が増強することが明らかになった。また、高次聴覚野による聴覚応答の増強は青斑核からの入力を阻害することで見られないことも明らかになった。さらに親の歌を聴いてもこの際に青斑核から高次聴覚野への入力を阻害すると、歌学習が阻害されることも明らかになった。これらのことから社会的コミュニケーションは、青斑核-高次聴覚野の神経回路を活性化することで歌学習が成立することが明らかになった。 これらの結果は学会発表を行うとともに、論文として投稿され、現在査読の最中である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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