研究領域 | 脳情報動態を規定する多領野連関と並列処理 |
研究課題/領域番号 |
20H05078
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
吉原 良浩 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (20220717)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 前障 / 大脳皮質 / 徐波活動 / 意識 / トランスジェニックマウス / 光遺伝学 / 神経回路 / 行動 |
研究開始時の研究の概要 |
前障が大脳皮質のほぼすべての領域と双方向性の神経接続を有するという古典的神経解剖学の先行研究と、前障の光遺伝学的刺激が大脳皮質の広汎な領域における神経活動の静止状態(Down State)を誘導するという申請者らの実験結果を基にして、『前障が大脳皮質の多領野間の情報動態・並列処理を調節し、選択的注意・認知・思考・情動・記憶・意思決定・意識レベルなど高次脳機能の発現に重要な役割を果たす』という作業仮説を立てる。本提案では光操作技術と神経活動イメージングを中心とした学際的な研究戦略によってこの作業仮説の実験的検証を行うことにより、前障の機能を明らかにし、意識の神経メカニズムの解明を目指す。
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研究実績の概要 |
前障(Claustrum)は哺乳類の大脳皮質の内側に位置する薄いシート状の構造であり、大脳皮質のすべての領野と双方向的に神経接続するというユニークな解剖学的特徴が報告されているが、その機能については全く解明されていない。これまでに前障の機能について、多種感覚情報の統合・選択的注意の割り当て・皮質オシレーションの制御・意識の中枢など、興味深い仮説が提唱されてきた。しかしながら前障の複雑かつ不規則な構造およびマーカー分子・遺伝子ツールの欠如などが障壁となり、これら仮説の実験的検証には未だ至っていない。私たちは最近、異なる3つのサブセットの前障ニューロンにDNA組換え酵素CreあるいはtTAを発現するトランスジェニックマウス系統(Cla-Cre#1, Cla-Cre#2, Cla-tTA)の樹立に成功し、前障ニューロンの遺伝学的可視化・活動制御が可能となった(未発表データ)。本年度においては、まずこれら3つのタイプの前障ニューロンと大脳皮質間の機能的結合の網羅的マッピングをアデノ随伴ウイルスと改変型狂犬病ウイルスを用いた経シナプス性神経回路可視化法により解析した。その結果、1)Cla-Cre#1マウスのCre発現前障ニューロンは大脳皮質の主に連合野領域と運動野領域から神経投射を受ける、2)Cla-Cre#2マウスのCre発現細胞はの前障内のニューロンのみから神経投射を受け、3)Cla-tTAマウスのtTA発現細胞は連合野・運動野とともに感覚野から神経投射を受ける、という新たな知見を得た次に、Cla-Cre#1マウスのCre発現前障ニューロンにGCaMPを発現させ、エンドマイクロスコープを用いて、オペラント学習時の前障ニューロンの活動ダイナミクスを解析した。その結果、マウスの行動シークエンスに対応して、前障ニューロンがシークエンシャルに発火するという興味深い知見を得た。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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