研究領域 | 光合成分子機構の学理解明と時空間制御による革新的光ー物質変換系の創製 |
研究課題/領域番号 |
20H05100
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
白石 康浩 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (70343259)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 光触媒 / 過酸化水素 / 人工光合成 / 樹脂 / 半導体 |
研究開始時の研究の概要 |
レゾルシノール-ホルムアルデヒド(RF)樹脂を基盤とする光触媒設計により、水とO2からH2O2を製造する人工光合成技術を開発する。フェノール誘導体の導入、ならびにポリチオフェンのドープにより導電性の向上を図るほか、微小炭素粒子の担持によりO2の二電子還元選択性の向上を図る。これらの機能開拓と機能集積による高活性化を通して、メタルフリー粉末光触媒による人工光合成を実現する。
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研究実績の概要 |
太陽光エネルギーを化学エネルギーに変換する新技術として、水と酸素からエネルギーキャリアとして有望視される過酸化水素を製造する新たな人工光合成反応に挑戦した。申請者はこれまで、汎用の合成高分子であるレゾルシノール-ホルムアルデヒド(RF)樹脂を、独自の高温水熱法により合成すると、従来、絶縁体であるRF樹脂が半導体性能を発現することを見出している。本研究では、RF樹脂への (1) フェノール誘導体の導入、ならびに (2) ポリチオフェンのドープにより導電性の向上を図った。 2021年度は、RF樹脂へのフェノールのドーピングを行った。レゾルシノールとフェノールを異なる仕込み比で混合し樹脂を合成したところ活性が向上し、特に、フェノール導入量5 mol%程度で最大のH2O2生成活性が発現した。一方、多量のフェノールを導入した場合では活性は減少した。光照射下における樹脂のインピーダンス測定より、若干量のフェノールの導入により導電性が向上し、その傾向は光触媒活性と一致した。すなわち、導電性の向上が高活性を発現させる要因である。樹脂のXRD測定を行ったところ、少量のフェノールを導入した樹脂では、芳香環のπスタッキングに由来する20°付近の回折が高角側にシフトし、芳香環面間距離が短くなることが分かった。これは、水酸基の少ないフェノールが樹脂に導入されることにより、水素結合の形成にもとづく芳香環の配置制限が緩和され、強いπスタッキングが形成されるためと考えられる。これが樹脂内のドナー(ベンゼノイド体)/アクセプター(キノイド)相互作用を強めることにより、樹脂の導電性を向上させると考えられる。フェノール導入量5 mol%の 触媒は~0.9%の変換効率でH2O2を生成し、シンプルなフェノール導入による活性向上が可能であることが示された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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