研究領域 | 光合成分子機構の学理解明と時空間制御による革新的光ー物質変換系の創製 |
研究課題/領域番号 |
20H05118
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
長澤 裕 立命館大学, 生命科学部, 教授 (50294161)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 光合成 / エネルギー移動 / FRET / LH2 / LH3 / バイオハイブリッド / 紅色細菌 / 光捕集アンテナ蛋白質複合体 / 光合成初期過程 / 電子移動 / 超高速分光 / 過渡吸収スペクトル / 光化学系2反応中心 / PSII / 時間分解分光 |
研究開始時の研究の概要 |
フェムト秒時間分解過渡吸収スペクトル測定等により、光合成系の迷路問題を解明し、エネルギー移動・電子移動の人為的最適化を行う。紅色細菌の光捕集アンテナ複合体LH2バイオハイブリッドについて、量子論的なダイナミクスの寄与を検討し、人工色素の付加箇所や付加方法の最適化を行い、単一指数関数的な最速のエネルギー移動の実現をめざす。また、シアノバクテリアや植物の光化学系Ⅱ複合体に関して、β-カロテンの波長選択励起によりエネルギー移動に律速されない電荷分離反応を起こし、その全容を解明する。
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研究実績の概要 |
光合成細菌の光捕集アンテナLH2やLH3は、カロテノイドおよび2つのbacteriochlorophyll色素団B800とB850(またはB820)により太陽光を捕集する。これら光捕集アンテナ群の吸収は、630 nmから760 nmにかけて比較的弱い。そこで、この波長領域に吸収帯を持つ蛍光性色素を光捕集アンテナ系に導入し、その光捕集能力の拡張を我々は試みてきた。ここでは、(a)人工的な色素を共有結合でLH2に連結したバイオハイブリッド、(b) LH2と人工色素を脂質二分子膜中に封入した系、(c) LH3中のB800を酸化反応により別の色素に化学的に変換した系の3つについて、フェムト秒過渡吸収(TRTA)スペクトル測定を行った。(a)については、付加する色素の発光波長およびリンカーの長さを変えて実験を行った。その結果、人工色素からLH2へのエネルギー移動は、Forsterの蛍光共鳴エネルギー移動機構でおおよそ説明できるが、その一部はアクセプター側の色素団の高励起子状態を通じてコヒーレントに起こることが示唆された。よって、その研究成果を論文として発表した。【Phys. Chem. Chem. Phys., 24, 24714 (2022)】(b)の系では、色素とLH2が化学結合で連結していないにもかかわらず、3ピコ秒から13 ピコ秒の時定数で起こる超高速のエネルギー移動が観測できたので、論文として発表した。【J. Chem. Phys., 156, 095101 (2022)】(c)の系についても、効率的にB800を酸化し、3-acetyl chlorophyllに変換することに成功した。さらに酸化されたB800からB820への高効率なエネルギー移動を観測できたので、論文として発表した。【J. Phys. Chem. B, 127(12), 2683 (2023)】
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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