研究領域 | 光合成分子機構の学理解明と時空間制御による革新的光ー物質変換系の創製 |
研究課題/領域番号 |
20H05119
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
浅井 智広 立命館大学, 生命科学部, 講師 (70706564)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 緑色硫黄細菌 / 水素 / メタン / 共培養 / 光合成メタン生成系 / ヒドロゲナーゼ / 光合成水素生産 / メタン菌 / 光合成メタン生産 |
研究開始時の研究の概要 |
持続的な「低炭素社会」を実現するためには、光合成による高効率でクリーンな二酸化炭素還元システムの構築が望まれる。光合成生物のバイオエンジニアリングによる生物学的な燃料物質の生産システムでは、水素生産には多くの成功例が蓄積されてきている一方、二酸化炭素の還元による炭素化合物の生産系には未だ成功例がない。本研究課題では、申請者が独自に構築した緑色硫黄細菌の絶対嫌気性の光合成水素生産系と、独立栄養性の古細菌であるメタン生成菌の異化的な二酸化炭素還元によるメタン生成系を融合させる。これにより、前例のない全く新しい生物学的な燃料物質の生産系・人工光合成系として光合成メタン生成系を確立する。
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研究実績の概要 |
本年度の研究では、緑色硫黄細菌Chlorobaculum tepidumとメタン菌Methanococcus maripaludisを同一の培地で培養する「混合系」での共培養を試みた。緑色硫黄細菌とメタン菌の共培養に前例はなく、当然ながら混合系に適した培地も知られていなかったため、本研究により両菌種が生育可能な無機培地を新たに作成した。両菌種の単独培養に使用される培地の組成を比較し、片方の菌種が特異的に要求する栄養物質がもう片方の菌種の増殖に与える影響を調べた結果、両菌種の栄養要求性は大部分が共通していたが、M. maripaludisは海洋性であるために増殖にナトリウムイオンが不可欠であることがわかった。逆にC. tepidumの増殖は高濃度のナトリウムイオンで阻害されたため、それぞれの濃度依存性を調べることで両菌種が増殖可能なナトリウムイオン濃度を見出した。一方、M. maripaludisではナトリウムイオン非存在下での培養中にpHが変化してしまったが、培地のpH緩衝剤を再検討することでpH恒常性を担保できることがわかった。これらの結果を総合し、C. tepidumとM. maripaludisのどちらもが単独で増殖可能な培地の化学組成を決定した。この培地をもちいてC. tepidumとM. maripaludisの混合系での共培養を行った結果、気相中に有意なメタンの蓄積が認められた。混合系でのメタンの蓄積は両菌種の増殖とC. tepidumの光合成的な水素生成に依存していた。メタンの蓄積量は、C. tepidumとM. maripaludisの両菌種の単独培養に使用される培地を当量混合しただけの非最適化培地を使用した場合の10倍以上であり、両菌種が最適な培地で増殖する気相共有系での共培養に比肩する量であった。これは、天然には存在しない生物プロセスである「光合成メタン生成系」が実現可能であることを強く示唆している。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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