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「草原の掟」としての伝統知が果たす遊牧コミュニティの持続機能の解明

公募研究

研究領域出ユーラシアの統合的人類史学:文明創出メカニズムの解明
研究課題/領域番号 20H05125
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

配分区分補助金
審査区分 人文・社会系
研究機関京都大学

研究代表者

相馬 拓也  京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (60779114)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード草原世界 / レジリエンス / ユキヒョウ / 天山山脈 / イシククル湖 / 騎馬鷹狩 / オオカミ狩り / 狩猟伝承 / モンゴル遊牧民 / 伝統知 (T.E.K.) / 防災・減災 / オーラルヒストリー / 環境適応 / アルタイ山脈 / 伝統知 (TEK) / キルギス / 牧畜文化 / 遊牧民 / 伝統知(T.E.K.) / 災害対処 / 生存戦略
研究開始時の研究の概要

本研究は、モンゴル西北部~中部~南部の草原地帯に暮らす遊牧社会において、伝統知―いわば「草原の掟」―の継承と実践が、防災・減災・災害対処などコミュニティの持続性/レジリエンスに果たした役割を解明する。モンゴルに代表される遊牧社会では、防災・減災術・災害対処・家畜防衛・環境適応・在来資源利用などに関する伝統知が、口承伝達・語り・掟などの社会規範化した生活実践として継承された。本課題は定量社会調査 (T1)/リモートセンシング調査 (T2)/社会ネットワーク調査 (T3)の学知融合の手法とフィールドワーク実践により、実証的にデータ収集を遂行する。

研究実績の概要

Covid-19による混乱と国境封鎖のために、2021年度(R3)は調査対象国のモンゴルに入国することができなかった。そのため、20年度から実施しているキルギス北部と東部の牧畜社会の調査を継続し、伝統知の記録収集を実施した。同地では、およそ45世帯の牧畜家庭から集中的に、防災・減災・災害対処・家畜防衛などのオーラルヒストリーを収集した。アルタイ山脈と天山山脈では、利用できる在来植物資源、牧草地、家畜群構成、季節移動の形態などの点で相違が確認された。
フィールドワークでは、現在も中央ユーラシアで盛んな狩猟活動のエスノグラフィ調査を進めている。イシククル湖北部では、イヌワシやオオタカを用いた鷹狩猟に参加し、キルギスに残る特異な在来の鷹狩技術のエスノグラフィ調査を実施した。鷹狩は例年9月末から3月頃まで実施される。イヌワシを用いた騎馬鷹狩ではキツネやドールをとらえるほか、オオタカやハヤブサを用いてキジ、ノウサギなどを捕らえることもある。鷹狩調査の一環として、クンゲイ・アラトー山中で、鷹狩用に飼育する猛禽個体の捕獲にも参加した。
イシククル湖南部では、冬季にはオオカミ狩りに参加し、オオカミの狩猟方法を参与観察によって明らかとした。オオカミは夕暮れ時になると、標高3,000m近い山地から人里に下って家畜を襲う行動が見られた。加えて、地元ハンターによる狩猟経験のインタビューや、地域に残る狩猟伝承のドキュメンテーションを実施した。同地のバイボースン自然保護区では、ユキヒョウの生態観察調査をはじめ、ユキヒョウにまつわる民俗・伝説・オーラルヒストリー・狩猟伝承が収集された。
キルギスでの調査結果とモンゴルの既存データとの比較分析によって、①伝統知のアクシオロジー、②環境適応アロスタシス、③伝統知の示唆する防災・減災術、などの新たな理論的視座を導き出すことができた。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (19件)

すべて 2023 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] 中央アジア=アメリカン大学/トルコ=マナス大学/キルギス日本センター (KRJC)(キルギス)

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [国際共同研究] アルファラビ=カザフ国立大学(カザフスタン)

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [国際共同研究] モンゴル国立大学(モンゴル)

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [国際共同研究] モンゴル国立大学 (MUIS)(モンゴル)

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [国際共同研究] 中央アジア・アメリカン大学 (AUCA)/キルギス日本センター (KRJC)(キルギス)

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [雑誌論文] アルタイ山脈に美しき聖獣ユキヒョウの《聖》と《死》を探る2023

    • 著者名/発表者名
      相馬 拓也
    • 雑誌名

      E-journal GEO

      巻: 18 号: 1 ページ: 54-70

    • DOI

      10.4157/ejgeo.18.54

    • ISSN
      1880-8107
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ユキヒョウとモンゴル遊牧民、狩りと畏れのフォークロア2022

    • 著者名/発表者名
      相馬 拓也
    • 雑誌名

      ビオストーリー

      巻: 37 ページ: 66-68

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [雑誌論文] ユキヒョウの保全生態をめぐるナラティヴ《伝承》とエビデンス《科学的根拠》の複合型生物誌2021

    • 著者名/発表者名
      相馬拓也
    • 雑誌名

      E-journal GEO

      巻: 16 号: 2 ページ: 287-309

    • DOI

      10.4157/ejgeo.16.287

    • NAID

      130008088399

    • ISSN
      1880-8107
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ヒマラヤ山脈にアグロフォレストリー国際協力の可能性を探る: ネパールでの植林・果樹栽培によるコミュニティ開発の経験から2021

    • 著者名/発表者名
      相馬拓也
    • 雑誌名

      「中央ユーラシアと日本の未来」(筑波大学NipCA講演会)

      巻: 第20回 ページ: 1-33

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] シルクロードの人類と動物の3000年史―《聖性》と《死性》入り混じる動物観を探る2023

    • 著者名/発表者名
      相馬 拓也
    • 学会等名
      NHK文化センター寄付講座:世界の“不思議”に迫る!京大「白眉」研究者たち
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 草原シルクロードの民族どうぶつ学フィールドノート2022

    • 著者名/発表者名
      相馬 拓也
    • 学会等名
      日本文化人類学会 第56回学術大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] シルクロード遊牧民の奥義、イヌワシ飼育の知と技法おしえます!2022

    • 著者名/発表者名
      相馬 拓也
    • 学会等名
      鏡プロジェクト(京都大学創立125周年記念イベント)
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Community Development by the Agroforestry Project and Traditional Plant Use around the Annapurna Range2022

    • 著者名/発表者名
      相馬 拓也
    • 学会等名
      Sustainable Mountain Development Conference 2022
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 映画『白い豹の影』作品世界イントロダクション:野生動物をめぐる聖と死2022

    • 著者名/発表者名
      相馬 拓也
    • 学会等名
      中央アジア今昔映画祭ステージトーク
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Re-considering Human & Animal Well-Being from the Steppe Silk Road2022

    • 著者名/発表者名
      相馬 拓也
    • 学会等名
      早稲田大学高等研究所15周年記念シンポジウム
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 中央ユーラシアの遊牧民と野生動物をめぐる聖と死のナラティヴ2021

    • 著者名/発表者名
      相馬 拓也
    • 学会等名
      日本文化人類学会2020年度学術大会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] ヒトと野生動物のシルクロード、知られざる“動物秘話”教えます!2021

    • 著者名/発表者名
      相馬 拓也
    • 学会等名
      京大サマープログラム2021(京都大学高大連携事業)
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] シルクロードに伝わる秘技、騎馬鷹狩文化の起源を求めて2021

    • 著者名/発表者名
      相馬 拓也
    • 学会等名
      筑波大学「中央ユーラシアと日本の未来」第32回講演
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [図書] 草原の掟―西部モンゴル遊牧社会における生存戦略のエスノグラフィ2022

    • 著者名/発表者名
      相馬拓也
    • 総ページ数
      360
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
    • ISBN
      4779516285
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書

URL: 

公開日: 2020-04-28   更新日: 2023-12-25  

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