研究領域 | 出ユーラシアの統合的人類史学:文明創出メカニズムの解明 |
研究課題/領域番号 |
20H05135
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
木村 亮介 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00453712)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 皮膚形質 / 遺伝 / 自然選択 / アジア / 環境 / 病原体 / 気候 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、気候など外界の物理環境への適応について、生物にとって外界とのバリアとなる皮膚の形質に注目し、ゲノム情報を糸口として解析を進める。具体的には、(1)現生人類および古代人類のゲノム情報から特にアジア太平洋地域において自然選択が働いたゲノム領域を網羅的に探索し、その中から皮膚形質に関連し得る遺伝子を抽出する。(2)合計1,000人を目標に被験者を募集して、細菌叢を含む皮膚形質の計測および多型解析を行い、それらの関連を明らかにする。(3)出ユーラシア集団も含め皮膚形質関連遺伝子多型の分布を調べ、多型の起源を推定しながら、各地域における気候や文化を勘案して適応過程について考察を加える。
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研究実績の概要 |
1)フィラグリン遺伝子変異が皮膚形質に与える影響: フィラグリンは皮膚のバリア機能において重要な働きを担うタンパクである。本研究では、フィラグリン遺伝子配列のリシークエンシング解析を行い、フィラグリンに関する新たな遺伝子変異の同定とその皮膚形質との関連を調べることを目的とした。研究参加に同意を得られた249人を対象とした。被験者から皮膚形質(皮膚の水分量、油分量、ポルフィリン量、皮膚色)について計測を行った。また、DNA抽出のために唾液、皮膚細菌叢解析のために額、鼻翼、腕、および胸部から綿棒を用いて皮膚のスワブを採取した。唾液から得たDNAよりフィラグリン遺伝子の全長をロングPCRで増幅し、ライブラリーを作成、次世代シークエンシングを行った。得られたデータからフィラグリン遺伝子上のSNPを検出した。皮膚スワブから抽出したDNAは16S rRNAメタバーコーディングに基づいて細菌叢解析を行った。フィラグリン遺伝子上に72個のSNP(マイナーアリル頻度 > 0.05)を確認した。これらのSNPと皮膚形質との関連解析の結果、ひとつのSNPが腕の油分量と、また別のSNPが上腕の皮膚の赤みと有意に関連することが示された。さらに、3つのSNPが鼻翼における特定の細菌の割合と関連することも示された。今後、本研究で皮膚形質との関連が示されたSNPが、どのような機能的変化を及ぼすのか明らかにする必要がある。 2)皮膚形質のゲノムワイド関連解析: 上述の皮膚形質(皮膚の水分量、油分量、ポルフィリン量、皮膚色)データのある249人に対して、マイクロアレイを用いたゲノムワイド関連解析を行った。その結果、ポルフィリン量との関連において有意水準を満たすSNPがみつかった。そのうちのひとつは、あるタンパク質のミスセンス変異であった。しかしながら、サンプルサイズが小さいため、結果の解釈には注意が必要である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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