研究領域 | 量子液晶の物性科学 |
研究課題/領域番号 |
20H05154
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
赤城 裕 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (20739437)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | スキルミオン / 分数スキルミオン / スピン液晶 / スピンネマティック相 / ベリー位相 / トポロジカル相 / 非エルミート / 多体系 / トポロジカル励起 / 磁性体 / ダイナミクス / ホモトピー論 / 物性理論 / ポロジカル不変量 / 輸送現象 |
研究開始時の研究の概要 |
連続的対称性の破れた相の性質は、南部-Goldstoneモードとトポロジカル励起により支配されます。トポロジカル励起は、秩序変数の空間的変化が、連続変形により一様なものに変形できない励起であり、Kosterlitz-Thouless転移やKibble-Zurek機構などの普遍的現象において重要な役割を果たします。本研究では、量子液晶の代表格であるスピン液晶相におけるトポロジカル励起と創発現象の解明を行います。特に、トポロジカル励起の静的・動的安定性や、トポロジカル励起の対消滅に伴う放射などの動的性質を詳細に調べることで、誘起される磁気双極子に由来した特異的振る舞いを明らかにします。
|
研究実績の概要 |
スピン1のbilinear-biquadratic模型において、特別な点では対称性がSU(3)に拡大し、その連続極限はCP2非線型シグマ模型に帰着される。そこで、この模型にポテンシャル項と安定項を加えることで、スピン液晶分数スキルミオンを数値的に構成した。ここで加えたポテンシャル項は、面内磁気異方性を一般化したものである。今回の研究で明らかにしたスピン液晶分数スキルミオンは物性分野でよく知られたメロン(磁気スキルミオンの半分であり、トポロジカル数は1/2)の一般化であり、各々のスピン液晶分数スキルミオンはトポロジカルチャージ1/3を持つ。この成果は、整数値を返すホモトピー論だけでは予想ができない、数値計算をすることで初めて分かる微視的構造である。また、スピン液晶において、分数スキルミオンという特有の階層構造を持ちうることを示唆している。 近年、量子開放系などへの高い関心を背景に、有効的に非エルミートなハミルトニアンで記述される系が注目を浴びている。本年度はさらに、このような系のトポロジカルな秩序変数として、量子化複素ベリー位相を提案した。とりわけ、非エルミート性に由来する2種類の空間反転対称性の下で、複素ベリー位相が量子化する事を一般的な形で示した。その結果、従来の反転対称性の下では複素ベリー位相自身が量子化する一方、非エルミート性によって新たに生じた反転対称性の下では複素ベリー位相の実部のみ量子化が保証されることが明らかとなった。また、このアプローチは多体系にも適用可能である。実際に反強磁性相互作用のある一次元量子スピン系やフェルミオン系などに適用し、非エルミート多体系のトポロジカル相(量子液晶の一種)の検出に対する有効性を確認した。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|