研究領域 | 量子液晶の物性科学 |
研究課題/領域番号 |
20H05163
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
水島 健 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (50379707)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 超伝導 / 超流動 / 対密度波 / スピンネルンスト効果 / 量子液晶 / 動的応答 / ネマティック超伝導 / トポロジカル超伝導 / スピン輸送 / 中性子星 |
研究開始時の研究の概要 |
対称性の破れとボース素励起を軸に、様々な系に現れる『超伝導液晶秩序』がもたらす特異な動的応答や輸送現象を分野横断的に明らかにする。具体的には、FFLO超伝導やネマチック超伝導など多彩な『超伝導液晶秩序』のボース素励起を網羅的に調べ、超伝導液晶秩序特有の輸送現象を明らかにする。さらに、中性子星内部では様々な超伝導ネマチック液晶状態が競合している。超伝導液晶秩序の動的揺らぎに由来した異常な輸送現象を明らかにし、中性子星の冷却機構への影響を評価する。様々な物理分野における超伝導液晶秩序について統一的に理解することで、量子液晶の概念を物性のみならず、素粒子や原子核・天文分野へ展開することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、並進対称性の破れによる液晶秩序(FFLO 超伝導・3He)や回転対称性を破った液晶秩序(ネマティック超伝導・中性子星)を舞台として、『超伝導液晶秩序』に由来する多彩な ボース素励起を網羅的に調べ、物性や天体への影響を明らかにすることを目的としている。その過程で、常磁性磁化、トポロジカル準粒子、新奇な臨界現象、 さらに非可換量子渦というトポロジカル励起の4つの要素とボソン励起の相互作用を理解することで、 電子対液晶がもたらす新奇かつ普遍的な動的現象を探求する。本年度は、主に、以下の2点について研究を行なった。(1)ヘリカル超伝導体における熱・スピン輸送、(2)制限空間中の超流動3Heにおける並進対称性を自発的に破った対液晶状態について明らかにした。(1)について、まずバルクのヘリカル超伝導体において、不純物散乱に由来した異常スピンネルンスト効果が生じることを明らかにした。これは、Cooper対の対称性を直接的に反映した異常スピン輸送現象である。さらに、ヘリカル超伝導体やネマティック超伝導体に存在するドメイン壁や表面において、熱・スピンの交差相関応答を調べた。ドメイン壁などではそこに局在する準粒子状態が異常スピンネルンスト効果を生み出すことがわかった。さらに、(2)では平行平板中の超流動3Heにおいて、超流動秩序が2次元的に結晶化したCooper対密度波状態が存在することを明らかにし、D2, D4, D6対称性を持つ対密度波状態の存在を見出した。一連の研究成果は現在論文としてまとめている。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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