研究領域 | 機能コアの材料科学 |
研究課題/領域番号 |
20H05189
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
蒲 江 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (00805765)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 遷移金属ダイカルコゲナイド / ヘテロ接合 / 円偏光 / バレー分極 / 電解質 / 歪み効果 / 原子層物質 / バレートロニクス / 発光デバイス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目標は、遷移金属ダイカルコゲナイド(TMDC)において力学特性がもたらす局所電子構造変化を解明・制御することで、全く新しい電子機能(バレートロニクス)デバイスの実現を目指す。具体的には、TMDCが有するバレー構造の力学的制御手法を基軸とし、バレー自由度を機能化した電子・光デバイスを作製する。まず、機械的変形に対する結晶構造と局所電子構造の相関を解明する。次に、力学制御されたTMDCにおいて電気的に純バレー流を生成する手法を確立する。最終的には、これら力学的アプローチと電解質によるデバイス技術を融合することで、電気的に光―バレー変換機能を有する円偏光発光・受光デバイスを実現する。
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研究実績の概要 |
本研究の目標は、原子層物質において力学特性がもたらす局所電子構造変化を解明・制御することで、新しい光・電子機能(オプト・バレートロニクス)デバイスの実現を目指す。具体的には、空間反転対称性が破れた原子層物質、遷移金属ダイカルコゲナイド(TMDC)が有する、波数空間における磁気的に非等価なバレーを力学的に制御する手法を確立し、これにより生じるバレー流を新たな自由度とするデバイスの作製を目的とする。 本研究目的に対し、本年度は(I)ヘテロ界面歪みによる室温円偏光発光の生成・制御と、(II)歪みを利用した高偏極率な円偏光発光素子の設計、の2項目について取り組んだ。以下にそれぞれの項目に関して研究実績の概要を示す。 (I)原子層ヘテロ接合を用いた室温円偏光発光素子 まず化学成長したTMDC面内ヘテロ単層膜を用いて電解質発光素子を作製し、ヘテロ界面からの電流励起発光を直接観測した。次に、界面発光の円偏光分解を測定したところ、室温において10%以上の高い円偏光分極が観測された。最後、ヘテロ界面の原子配列を電子顕微鏡で評価した結果、界面歪みが室温円偏光生成の起源であることを明らかにした。原子層ヘテロ構造は、化学合成による多様な材料展開や、大面積化・パターニング技術も適用でき、材料設計による高効率な円偏光発光素子が期待できる。 (II)歪みによる高偏極率な室温円偏光発光素子の設計 上記の結果及び昨年度の成果により、TMDCの力学制御が円偏光発光の生成・制御に極めて有用な手法であることが示された。最後、100%室温円偏光発光を実現するための最適な歪み効果(強度・方位)及び電場等のデバイスパラメータを、理論計算によりシミュレーションを行った。その結果、現状のデバイス設計において歪みを増大することで、今後100%室温円偏光発光素子の作製が実験的に達成可能であることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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