研究領域 | 機能コアの材料科学 |
研究課題/領域番号 |
20H05195
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 (2021) 一般財団法人ファインセラミックスセンター (2020) |
研究代表者 |
藤井 進 大阪大学, 工学研究科, 助教 (90826033)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 界面 / 熱伝導 / 計算科学 / フォノン |
研究開始時の研究の概要 |
近年のナノ構造化技術の発展に伴い、電子デバイスや熱電変換等の熱機能性材料中にはナノスケールでの界面が存在する。この界面は材料の熱伝導を著しく低下させることが知られ、その機構解明の重要性は急速に高まっている。本研究では、モデル材料としてSiに着目し、Si中に存在する界面が熱伝導に与える影響を原子レベルで解明する。材料中の熱は原子の集団振動(フォノン)によって伝わるため、その現象を計算科学で模擬・解析し、界面構造に基づく熱伝導制御指針の獲得に繋げる。
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研究実績の概要 |
材料中の界面は結晶とは異なる原子構造を持ち、しばしば材料の巨視的特性を決定づける。特に、その特異な構造が熱を輸送する原子振動(フォノン)の伝搬を阻害し、熱伝導性を著しく低下させることが知られている。近年、電子デバイスの小型化やナノ構造化技術の発展に伴い、原子スケールでの界面熱伝導機構を理解する重要性が高まっている。しかし、界面原子構造がフォノン散乱挙動に与える影響やその空間的範囲を解明した研究例は乏しく、界面構造を積極的に活用した熱伝導制御指針は確立されていない。本研究では、原子レベルの熱伝導性を評価可能な摂動分子動力学法と、フォノンの界面透過率を定量化できるPhonon wave packet法を用いて、現象論とフォノン理論の両面から界面熱伝導機構の解明に取り組んだ。 最終年度である2年目は、主にSi粒界、Si/SiO2界面の熱伝導解析を系統的に実施した。Si粒界については、新規に導入した多コア並列計算機やスーパーコンピュータを用いて、20種程度の粒界の熱伝導度を計算した。その結果、粒界近傍の原子数密度等の構造の乱れが熱伝導を支配することが明らかとなった。 また、結晶Siと結晶SiO2、結晶SiとアモルファスSiO2の異相界面を対象に、各層の厚みを変化させながら系統的な熱伝導度・フォノン透過率評価を行った。その結果、熱を主に輸送する音響フォノンの透過率がSiO2の構造乱れによって顕著に低下すること、そして界面でのフォノン散乱・反射により結晶Siの熱伝導挙動にも大きな空間依存性が生じることが明らかになった。 加えて、共有結合性Siとの比較のため、典型的イオン結合材料であるMgOにも本手法を適用したところ、ナノ多結晶体では粒界平行方向の熱伝導性も大きく低下することも明らかになった。 総じて、ナノスケール界面のフォノン散乱挙動に関して多くの微視的知見が得られた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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